Linear Technology、Maxim Integratedの買収を経て、Analog Devices(ADI)はパワー関連事業を加速させている。同社のMulti-Market Power Business Unitでコーポレートバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるJen Lloyd氏が、3社が統合したことで強みを増したパワー関連の主力製品を紹介した。
Analog Devices(ADI)にとって、パワー製品は言うまでもなく中核事業の一つだ。2017年のLinear Technologyの買収、2021年のMaxim Integrated(以下、Maxim)の買収を経て、パワー製品のラインアップはさらに強化された。パワー関連製品では、2万のSKU(Stock Keeping Unit)と約2200件の特許を保有している。日本の展示会でも、ADI、旧Linear Technology、旧Maximの製品を組み合わせたソリューションが見られるようになってきた。
ADIのMulti-Market Power Business Unitでコーポレートバイスプレジデントを務めるJennifer A. Lloyd氏は、「ADIとLinear Technology、Maximの統合を経て、パワー関連でも多様な製品群がそろうアナログ半導体メーカーとなった。これまで以上に革新的な製品を開発していくことが、パワー系の事業戦略の柱だ」と語る。
「電源やパワーマネジメントの分野には課題が多い。電源設計者は、電力密度の向上、低ノイズ、高効率など多くの課題に常に直面している。設計期間の短縮に対するプレッシャーも強く、(コロナ禍を経た現在は)サプライチェーンの信頼性や製品の品質も部品を選択する上で重要な検討事項になっている。アナログ半導体技術者は、以前にも増して厳しい設計上の制約に直面している」(Lloyd氏)
Lloyd氏は、これらの課題に応え得るADIの特徴的なパワー製品/技術として、「Silent Switcher」や「μModule」「nanoPower」の他、先進的なコントローラー技術などを挙げる。「いずれも、ADIのアナログ半導体技術の良さを生かしたユニークな製品だ」(Lloyd氏)
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