ここからはWD(Western Digital)の2024会計年度業績を説明しよう。売上高は前年比5.6%増の130億300万米ドルである。営業損益(GAAPベース)は前年と同様に赤字だった。営業損失は前年度の12億8500万米ドルから、2024年度は2600万米ドルへと大きく減少した。粗利益率(GAAPベース)は22.6%と前年度の15.3%から7.6ポイント上昇した。
WDの主要製品(主要事業)は、フラッシュメモリ応用品(フラッシュ事業)とHDD製品(HDD事業)の2つで構成される。フラッシュ事業の2024会計年度売上高は前年比10.3%増の66億8700万米ドル、HDD事業の2024会計年度売上高は前年比1.0%増の63億1600万米ドルである。
粗利益率はフラッシュ事業が16.1%、HDD事業が29.8%となった。前年度はそれぞれ7.1%、24.1%だったので、フラッシュ事業の粗利益率が大きく改善したことが分かる。
応用分野別では3つのセグメントがある。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)に分かれる。
「クラウド」分野の2024会計年度売上高は前年比2%増の53億7800万米ドル、全体に占める割合は前年比2ポイント減の41%となった。エンタープライズ向けの大容量HDDに対する需要拡大と単価の上昇が増収に寄与した。
「クライアント」分野の2024会計年度売上高は前年比7%増の46億4700万米ドル、全体に占める割合は前年比1ポイント増の36%である。フラッシュ製品の売り上げがビット数換算で伸びたことが、収入を押し上げた。
「コンシューマー」分野の2024会計年度売上高は前年比9%増の29億7800万米ドルである。全体に占める割合は前年比1ポイント増の23%となった。同分野もクライアント分野と同様に、フラッシュ製品の売り上げがビット数換算で伸びた。
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