新しい先端パッケージングプロジェクトは、シリコンバレー以外でも進行中だ。
DoCと韓国SKC傘下のAbsolicsは2024年5月、米国ジョージア州コビントンのガラス基板開発施設の建設を支援するために、最大7500万米ドルの直接資金を提供する契約を結んだ。ただし、この契約には拘束力はない。
Absolicsは、消費電力とシステムの複雑さを軽減する同社のガラス基板が、AIやHPC、データセンター向けチップの性能を向上させるとしている。同社のガラス基板は、より高密度で微細な配線接続を可能にし、より高速でエネルギー効率の高いコンピューティングを実現するものだ。米国はCHIPS法に基づく支援により、基板の国内供給拡大を目指している。
IC基板はインターポーザーとして機能し、高密度化するIO接続と、PCB上のより広いラインピッチ幅を結ぶ役割を担っている。製造エコシステムにIC基板がなければ、米国に完成したサプライチェーンが確立されたとはいえない。特に、防衛システムで使用される電子機器についてはその影響は大きい。
米国で最近発表された他の先進パッケージングプロジェクトには、Apple、TSMC、そしてOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)大手のAmkorの提携がある。Amkorはアリゾナ州に20億米ドルを投じてパッケージング工場を建設し、TSMCが近隣に建設中の半導体工場をサポートする計画だ。Appleを最大の顧客の1つとするAmkorは「同施設が米国最大の先端パッケージング事業となることを期待している」としている。
さらに、SK hynixはインディアナ州の先端パッケージング施設に39億米ドルという大規模な投資を発表した。同社は、AIチップの性能を高速化する高帯域幅メモリ(HBM)の生産で世界をリードしている。
Vardaman氏によれば、米国はパッケージングと組み立ての全分野で完全に『自給自足』することはできないという。
「それでも、米国内にはある程度の生産能力必要だ。北米には、カナダのIBM Bromont、レガシーパッケージを手掛けるTexas Instruments、モバイル向けのシステムインパッケージモデルを持つSkyworksなどがあるため、さまざまな可能性がある」(Vardaman氏)
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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