レゾナックは2024年7月8日、先端パッケージングの研究開発を目的とした、業界パートナー企業10社による新しいコンソーシアムをシリコンバレーに設立すると発表した。同コンソーシアムの参加企業には、米国のKLAやKulicke&Soffaなどの材料/装置サプライヤーが名を連ねる。コンソーシアムのパートナー企業は、2025年に稼働予定のカリフォルニア州ユニオンシティーの新しい研究開発センターに投資するという。ただし、投資額については明らかにされていない。
レゾナックのエレクトロニクス事業担当業務執行役を務める阿部秀則氏は、「現在、急速に拡大している生成AIや自動運転向けの次世代半導体には、2.5D(次元)や3Dなどの先端パッケージング技術への新たなアプローチが必要だ。近年、GAFA(Google/Apple/Facebook[現Meta]/Amazon)のような大手テック企業を含め、シリコンバレーの大手半導体メーカーやファブレス企業は、自社で半導体を設計し、後工程のパッケージングで次々と新しいコンセプトを生み出している」と述べている。
半導体パッケージングは主にアジアで行われている。レゾナックによると、研究開発拠点をシリコンバレーの大手半導体デバイスメーカーに近づけることは、特に基板やインターポーザー、パッケージ製造といった米国の既存コンソーシアムがカバーしていない分野における技術的課題の解決に役立つという。レゾナックは日本で設立した業界コンソーシアムを米国でも展開したい考えだ。
米国のパッケージング産業は1980年代に海外移転が始まった。米国政府は、国内の同産業の復活に大きな期待を寄せている。
商務次官のLaurie Locasci氏は、「NAPMPは、強力な研究開発によるイノベーションを通じて、米国内のパッケージング分野が世界をリードすることを可能する。CHIPS法が資金提供する研究開発を通じて、10年以内に、米国内外で製造された先進ノードのチップを米国内でパッケージングできる国内パッケージング産業を創出する計画だ」としている。
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