さらに、発生光子の単一光子性を評価した。遅延時間が0ナノ秒時の同時計数値は、波長532nmで励起すると0.53±0.02となった。これに対し、波長637nmのレーザー光で励起した場合は、0.08±0.05と小さくなった。この値は、0.5以下で単一光子源の条件を満たし、0に近づくほどノイズが小さい「良質の単一光子源」であることを示すものだという。
また、110Kから260Kまで温度を変化させた実験では、色中心からの発光強度が、hBN中のフォノンの量に比例することを確認した。同時に、フォノンのエネルギーが組み合わさることで、色中心の励起が行われていることを実証した。
今回の成果は、京都大学大学院工学研究科の岡城勇大修士課程学生、嶋崎幸之介博士課程学生、鈴木和樹修士課程学生(研究当時)、向井佑助教、竹内繁樹教授と公立千歳科学技術大学の高島秀聡准教授および、シドニー工科大学の共同研究によるものである。
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