浜松ホトニクスは、光送信機と光受信機を一体化した光空間伝送用トランシーバー「P16548-01AT」を開発、サンプル出荷を始めた。短距離基板間通信や回転機構を備えたロボットアーム、全方位カメラなどの用途に向ける。
浜松ホトニクスは2024年9月、光送信機と光受信機を一体化した光空間伝送用トランシーバー「P16548-01AT」を開発、サンプル出荷を始めた。短距離基板間通信や回転機構を備えたロボットアーム、全方位カメラなどの用途に向ける。
P16548-01ATは、電気信号を光信号に変換する機能と、光信号を電気信号に変換する機能を、外形寸法が6.7×7.6×5.9mmの小型パッケージに収めた。発光素子として、中心発光波長が850nmの垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)を用いた。温度補正が可能なVCSELドライバーと組み合わせることで、−40〜85℃という広い動作温度範囲で、安定した通信が行える。
また、受光素子としては高速フォトダイオードおよび、特性を最大限に引き出せる信号処理ICを用い、高速動作を実現した。新製品を同じ光軸上に対向配置すれば、最大1.25Gビット/秒という伝送速度で全二重双方向通信が可能となる。通信距離は25〜100mmである。電源電圧は3.3V。
ロボットアームや全方位カメラなど回転機構を備えた装置では、回転体と静止体間でデータの送受信を行う場合、これまで接触式のスリップリング方式を用いるのが一般的であった。この方式だと、接触箇所が摩耗し信号品質の低下を引き起こすこともあった。今回開発したP16548-01ATを用いれば、従来方式の課題を解決できるという。
浜松ホトニクスは、2024年10月よりP16548-01ATおよび評価用キットのサンプル出荷を始めた。P16548-01ATのサンプル価格は2640円。
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