TDKのスマートグラス関連製品では、点として見えるレーザーを色を変えながら高速で動かすことで人の目には1つの画面として映し出すLBS(Laser Beam Scanning)方式を採用している。LBS方式ではレーザーの出力制御がより高速かつより小さいドットになるほど映像が高解像度になるが、従来の技術ではレーザーの切り替え速度は1GHzが限界で、解像度としてはフルHD(1080p)程度にとどまった。拡大が見込まれるAR/VR市場全体でも、小型の高解像度ディスプレイの製造が課題となっている。
そうした技術的限界を超えられるのが今回発表したActive-PIC by LNだ。光通信技術などに用いられるLiNbO3をRGB可視光の光学導波路に適用し、さらに従来はレーザー素子を電流制御していたものを光学導波路を電圧制御するように変更したことで、切り替え速度を従来比10倍の10GHz以上まで高めた。
同デバイスの切り替え速度は4K映像にも対応可能で、電圧制御によってRGB各色の出力の強さを細かく制御するため、中間色も表現できる。電圧制御にしたことで、消費電力も従来の4分の1程度に削減できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.