Active-PIC by LNは、その製造方法にも特徴がある。LiNbO3を用いたデバイスの製造は一般的にバルク結晶を用いて行われているが、バルク結晶の大きさに限界があるため大口径化が難しく、民生機器などの大量生産には適さない。一方、Active-PIC by LNは量産を意識し、スパッタリングでLiNbO3薄膜を形成している。単結晶を用いないため大口径化しやすく、大量生産が可能だ。さらに、TDKが強みとする薄膜作成技術によってスパッタ膜の結晶性の課題も克服したという。
スパッタリング方式で製造[クリックで拡大] 出所:TDK
3〜5年後に量産が目標 データセンターなどへの応用も
CEATEC 2024のTDKブースでは、Active-PIC by LNでレーザーの色の切り替えを行うデモンストレーションを紹介する。さらに、従来の技術でQDレーザと共同開発した網膜直接投影型スマートグラスについても、MEMSミラーに改良を加えて高解像度化したものを展示予定だ。
「CEATEC 2024」で展示予定のデモ。左=Active-PIC by LNによるレーザーの色の切り替えデモ、右=高解像度化した網膜直接投影型スマートグラス[クリックで拡大]
TDKは今後、2025年以降にActive-PIC by LNのサンプル提供を開始し、3〜5年後をめどに量産化することを目指している。その際は4K映像の投影を実現する計画だという。