パワー半導体モジュール新工場を建設へ 三菱電機 : 福岡で2026年稼働
三菱電機は、パワー半導体モジュールの組み立てと検査を行う新工場棟を、パワーデバイス製作所福岡地区に建設する。投資額は約100億円で2026年10月の稼働を予定している。
三菱電機は2024年11月、パワー半導体モジュールの組み立てと検査を行う新工場棟を、パワーデバイス製作所福岡地区に建設すると発表した。投資額は約100億円で2026年10月の稼働を予定している。
パワーデバイス製作所福岡地区に建設する新工場棟の完成予想図[クリックで拡大] 出所:三菱電機
パワー半導体モジュールは、インバーターの小型軽量化や設計の簡素化が可能となるため、電気自動車(EV)や民生機器、産業用機器、再生可能エネルギー機器、電鉄など、さまざまな分野で用いられている。今後も需要拡大が見込まれる中、市場ニーズに合わせた製品を迅速かつ安定的に供給していくため、三菱電機は新工場の建設を決めた。
新工場は、鉄骨造5階建て、延べ床面積は約2万5270m2 である。建屋完成後は、同敷地内にあるモジュールの組み立てと検査を行う製造ラインの一部を集約する。これによって、部材受入から製造、出荷までの生産工程を効率化するという。また、進捗管理や自動搬送などを行う生産管理ツールを導入し、生産性をさらに高めていく。さらに、設計・開発・生産技術検証から製造までの一貫体制を強化することで、製品開発力を向上させる。
新工場では、換気効率の高い空調システムをクリーンルームに採用したり、変圧器やパッケージエアコンなどで高効率の機器を導入したり、太陽光発電設備を設置したりするなど、環境・省エネ対策にも力を入れる。こうした取り組みが高く評価され、福岡県より2回目のグリーンアジア国際戦略総合特区の法人指定を受けた。
「斜めからのイオン注入」で損失低減 三菱電機のxEV用SiC-MOSFET
三菱電機は、電動車(xEV)の駆動モーター用インバーターに向けた標準仕様のパワー半導体チップ「SiC-MOSFET」を開発、サンプル出荷を始めた。xEVの航続距離を延伸でき、電費の改善につながるとみている。
12畳を1台でモニタリング 検知面積が従来比2倍の赤外線センサー
三菱電機は、サーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR(メルダー)」の新製品として、100度×73度の広画角化によって既存製品の2倍以上広い検知面積を実現した「MIR8060C1」を発表した。一般的な天井高の家屋では、12畳の部屋の隅に設置して床面全体を検知できるほどの画角だ。
12インチウエハーを用いてSiパワー半導体チップを量産
三菱電機は、パワーデバイス製作所福山工場の12インチSiウエハー対応ラインで製造したパワー半導体チップの本格出荷を始めた。同社は「2025年度までにSiパワー半導体の前工程における生産能力を、2020年度に比べ約2倍とする」中期計画に取り組んでいる。
初の車載SiCモジュールで市場展開を加速、三菱電機
三菱電機は、ドイツ・ニュルンベルクで開催された世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2024」において、モールドタイプのxEV用インバーター用パワー半導体モジュール「J3」シリーズや、鉄道および直流送電などの大型産業機器向けのSBD内蔵SiC MOSFETモジュールなど、各分野向けに開発した新製品を紹介していた。
200Gbpsの受信用光デバイスを24年内量産へ、三菱電機
三菱電機は2024年8月20日、データセンター向け光トランシーバーに搭載する受信用光デバイスの新製品として、800Gbps/1.6Tbps光ファイバー通信用の200Gビット/秒 pin-PD(Photo Diode)チップ「PD7CP47」を発表した。2024年内の量産開始を見込む。
Ka帯衛星通信に対応、GaN MMIC電力増幅器を開発
三菱電機は、Ka帯(26.5〜40GHz)対応の衛星通信(SATCOM)地球局用送信器に向けて「GaN MMIC電力増幅器」2製品を開発した。大容量通信への対応と、衛星通信地球局の小型化、低消費電化を視野に入れる。
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