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20Mbps対応のCAN XL用トランシーバーを世界初公開、Bosch2025年1〜3月にサンプル出荷

Robert BoschがCANプロトコルの第3世代である「CAN XL」用で、最大20Mbpsのデータ転送速度をサポートする、CAN SIC XLトランシーバー「NT156」を世界初公開した。2025年第1四半期のサンプル出荷を予定している。

» 2024年11月22日 13時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 Robert Bosch(以下、Bosch)はドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」(2024年11月12〜15日)に出展。車載ネットワークで標準的に使用されているCANプロトコルの第3世代である「CAN XL」用で、最大20Mビット/秒(Mbps)のデータ転送速度をサポートする、CAN SIC(信号改善機能) XLトランシーバー「NT156」を世界初公開した。

CAN SIC XLトランシーバー「NT156」。サイズは3mm×3mmのHVSON8パッケージ CAN SIC XLトランシーバー「NT156」。サイズは3mm×3mmのHVSON8パッケージ[クリックで拡大]

 CANネットワークは、その堅ろう性やコスト効率、シンプルさ、ネットワークトポロジーの柔軟性から、依然として根強く支持されていると。同時に、新しいE/Eアーキテクチャにおいては、大容量データの高速伝送がますます重要になっている。

 そうした中で、CANの第3世代であるCAN XLプロトコル(ISO 11898-1:2024)は、既存のCANおよび、CAN FDと互換性がありながら、最大20Mbpsという高速化が実現できる。IP(Internet Protocol)などの上位層プロトコルも使用可能。有効データ長は最大2048バイトあり、Ethernetトンネリングによって同じネットワークでCANとEthernet通信が使用できる。CAN XLは、既存のCANインフラストラクチャが活用でき、低い導入コストで高速なデータ伝送を実現できるとして期待されている。説明担当者は、「自動車メーカーは同じ配線で従来のCAN FDを用いつつ、CAN XL搭載の新たなコントローラー追加によってCAN XLの通信を実現でき、さらに他のプロトコルも追加できる」と強調した。

CANの進化CAN XLの互換性による利点や概要 CANの進化や、CAN XLの互換性による利点や概要について[クリックで拡大]

 今回、Boschが「世界初公開」したのは、このCAN XLで最大20Mbpsのデータ転送速度をサポートする、CAN SIC XLトランシーバー「NT156」だ(概要は下図)

CAN SIC XLトランシーバー「NT156」の概要 CAN SIC XLトランシーバー「NT156」の概要[クリックで拡大]

 Boschのブースでは、NT156の実物および、同機能の開発品を搭載した評価ボードによるデモを展示。カメラで撮影したデータをEthernetトンネリングによってCAN XL経由でツイストペアケーブルを介して送信し、モニターに表示する様子を紹介していた。

デモの様子 デモの様子[クリックで拡大]

 Boschは、NT156について、2025年第1四半期のサンプル出荷を予定している。

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