一方、半導体設計のライセンス供与で広く知られるArmは、独自開発チップを発表する予定だと報じられた。このような動きは、同社の事業モデルが根本的に変化することを示すものであり、半導体業界に混乱を引き起こす可能性がある。ArmのHaas氏とソフトバンク会長の孫正義氏は、ライセンス供与による収益だけでは不十分だと考えているようだ。
この独自開発チップは、大規模データセンターのサーバ向けCPUとなる見込みで、製造はTSMCなどの製造メーカーにアウトソーシングするという。Armの投資家は楽観視しており、この半導体チップでデータセンターコンピューティング市場におけるシェアを拡大できると期待しているようだ。
独自チップを開発するというArmの決断は、議論を巻き起こしている。Valero氏は「このような動きが利益をもたらすのか、それとも不利益をもたらすのかは疑問だ。この新たな方向性により、Arm設計に依存している既存の顧客との間で争いが生まれる可能性がある」と述べる。
Amazonは、同社のプロセッサ「Graviton」にArmのIP(Intellectual Property)を使用している。同社は2024年9月、Intelとの協業により、同社の最先端プロセスノード「Intel 18A」を使用して、AWS向けAIファブリックチップを開発すると発表している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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