Rapidus、半導体設計支援のQuest Globalと提携で顧客獲得へ:エンジニア500人派遣も検討(2/2 ページ)
Quest Globalは世界に2万1000人以上のエンジニアを擁し、7nm/5nm/3nm/2nm技術を含む半導体設計ソリューションを提供している。このうち2300人以上が日本の顧客をサポートしていて、今後5年間で日本で雇用するエンジニア人材を倍増させる計画だという。
Quest Globalの概要[クリックで拡大]出所:QUest Global
Quest Global 共同創業者兼CEOのAjit Prabhu氏は「2nm半導体やAIが世界に与える影響は、かつてのインターネットの登場よりもはるかに大きいものになる。RapidusとQuest Globalのそれぞれの強みを生かすことで最先端半導体の開発期間短縮に貢献できるだろう」と述べた。
さらに、Rapidusへの設計支援については「日本のある顧客に、500人以上のエンジニアを15年以上にわたって派遣している事例がある。Rapidusにも500人以上の規模の人材を派遣することになるだろう」と説明した。
Rapidusが顧客として想定するGAFAM(Google、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon.com、Microsoft)などのビッグテックは、AIチップを自社で設計するのではなくQuest Globalのような設計支援企業に任せているケースが多いといい、小池氏は「Quest Globalは顧客を獲得するためにも必須のパートナーだ」とした。
Rapidusの顧客は十分にいるのか 米アナリストの見解
RapidusのCEO(最高経営責任者)である小池淳義氏は、米国EE Timesのインタビューに応じ、2025年4月に2nm世代半導体製造のパイロットラインを稼働予定であると語った。Rapidusを訪問したアナリストによると、TSMCとSamsung Electronicsの新たな競合となるRapidusには、この先まだ大きな障壁が立ちはだかっているという。
半導体開発「日本は本当に人が足りない」 オフショア活用も視野に
製品設計/開発のアウトソースサービスを手掛けるクエスト・グローバル・ジャパンは都内で記者説明会を開催。日本の半導体開発では「必要な人材が足りていない」と語った。背景には、半導体設計がますます高度化、複雑化していることや、海外企業と英語で交渉する必要が増えていることなどがある。
RapidusとIBM、2nm世代半導体のチップレットパッケージ技術で協業へ
RapidusとIBMは2024年6月4日、2nm世代半導体のチップレットパッケージ量産技術確立に向けたパートナーシップを締結したことを発表した。RapidusはIBMから高性能半導体向けのパッケージ技術の提供を受け、技術確立の協業を進める。
Rapidus、セイコーエプソン千歳事業所に後工程R&D拠点を開設へ
Rapidusは、セイコーエプソン千歳事業所(北海道千歳市)内にクリーンルームを構築し、半導体後工程の研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions(RCS)」を開設すると発表した。2025年4月から製造装置を導入し、2026年4月を目標に研究開発活動を開始する計画だ。
半導体業界「2つの常識」覆される時代に SEMICON Japanで甘利氏熱弁
「SEMICON Japan 2024」が2024年12月11日に、東京ビッグサイトで開幕した。オープニングセッションや基調講演にはSEMIプレジデント兼CEO(最高経営責任者)のAjit Manocha氏や、自民党半導体戦略推進議員連盟 名誉会長の甘利明氏が登場した他、石破茂首相がビデオメッセージでコメントを寄せ、政府として半導体業界への支援を続けると強調した。
Rapidus、シリコンバレーに新会社設立 AI半導体の顧客開拓を加速
Rapidusは2024年4月、米国カリフォルニア州シリコンバレー地域に新会社を設立した。AI(人工知能)半導体のさらなる顧客開拓と設計支援を目指す。
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