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角度誤差は0.3度未満 外乱磁場に強いホール効果位置センサー、TDKASIL-Cに対応

TDKはホール効果2D位置センサー「HAL/HAR3550シリーズ」を発表した。車載安全規格「ASIL-C」に対応していて、ブレーキペダル位置検知やステアリング角度検知といったセーフティクリティカルな用途で使用できる。

» 2025年04月09日 10時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 TDKは2025年4月8日、TDKミクロナスブランドのホール効果2D位置センサー「HAL/HAR3550シリーズ」を発表した。車載安全規格「ASIL-C」に対応していて、ブレーキペダル位置検知やステアリング角度検知といったセーフティクリティカルな用途で使用できる。

ホール効果2D位置センサー「HAL/HAR3550シリーズ」 ホール効果2D位置センサー「HAL/HAR3550シリーズ」[クリックで拡大] 出所:TDK

主力製品の単機能版 強力な外乱磁場補正

 HAL/HAR3550は、ホールプレートアレイ、DSP(Digital Signal Processor)、プログラマブルファームウェア搭載マイコン、メモリを備える。出力方法はアナログ/SENT(Single Edge Nibble Transmission)/PWM(Pulse Width Modulation)に対応している。

 ホールプレートアレイはホール素子をサークル状に6つ配置した特許取得の独自構造で外乱磁場補正機能を実現し、大電流化が進む電気自動車(EV)にも対応している。外乱磁場による角度誤差は0.3度未満だ。

HAL/HAR3550シリーズの構造 HAL/HAR3550シリーズの構造[クリックで拡大] 出所:TDK

 HAL/HAR3550はTDKミクロナスのホール効果位置センサーの主力製品である「HAL/HAR/HAC39xy」をベースに、機能を絞り込んだもの。HAL/HAR/HAC39xyはXYZの3軸の動きを検知する3Dセンサーであるのに対し、HAL/HAR3550はXY/XZ/YZの動きを検知する2Dセンサーだ。また、HAL/HAR/HAC39xyは複数用途に利用できるもので、ユーザー側で機能を選択して使用するが、HAL/HAR3550は単機能で、用途ごとに品番が分かれている。そのため、HAL/HAR3550は他の用途に転用できないものの、設定の手間を省略できる。用途は、ブレーキ/アクセルペダル、ステアリング、ギアシフターなどを想定する。

HAL/HAR3550シリーズの用途とそれぞれの品番 HAL/HAR3550シリーズの用途とそれぞれの品番[クリックで拡大] 出所:TDK

 既にサンプル提供を開始していて、量産開始は2025年6月を予定。1個当たりのサンプル価格はシングルダイのHAL3550が0.95ユーロ、デュアルダイのHAR3550が1.8ユーロだ。

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