メディア

外乱磁場補正機能付き2次元ホールセンサーを発表複数ホールプレートで実現

TDKミクロナスは2023年4月18日、車載向け2次元ホールセンサー「HAL 302x」を発表した。外乱磁場補正機能を備えていて、パッケージ表面に対して垂直方向の磁場を検知し、360度の回転角度を高速かつ高精度で計測できる。

» 2023年04月24日 10時30分 公開
[半田翔希EE Times Japan]

 TDKミクロナスは2023年4月18日、車載向け2次元ホールセンサー「HAL 302x」を発表した。主に自動車や産業機器の用途に向ける。

HAL 302xの外観 HAL 302xの外観[クリックで拡大] 出所:TDKミクロナス

 HAL 302xは、パッケージ表面に対して垂直方向の磁場を検知し、360度の回転角度を高速かつ高精度で計測する。複数のホールプレートを使用することで、外乱磁場を「おおよそ完全に補正できる」(担当者)という。ISO 11452-8、ISO 26262にも準拠していて、2024年までにAEC-Q100の認定取得も目指している。

 HAL 302xは、シングルエンドのアナログ出力(+sin/-cos)、差動アナログ出力(±sin/±cos)を採用していて、現行のレゾルバの置き換えが可能だ。軸端はOn-axisで、安価な2極マグネットでも対応できるシンプルな磁気設計だ。

 HAL 302xはホールプレート数の異なる「HAL 3020」「HAL 3021」の2製品で構成されている。HAL 3021は、6つのホールプレートを使用することで、高い動的メカ的誤差耐性を実現している。静的な外乱磁場による角度ドリフトは、0.11度以下まで抑制できる。HAL 3020は、3つのホールプレートを使用しているため、HAL 2021に比べて低消費電力だ。静的な外乱磁場による角度ドリフトは、0.15度以下まで抑制できる。

HAL 3020 と HAL 3021 の比較 HAL 3020 と HAL 3021 の比較[クリックで拡大] 出所:TDKミクロナス

「HAL 302x」の測定原理

 測定原理は次の通りだ。まず、2極磁石を360度回転させることで、センサーアレイが複数の磁場成分(HAL 3021は6相、HAL 3020は3相)を測定する。その後、測定した磁場成分を2相(Sin、Cos)に変換することで外乱磁場成分を除去する。さらに、マイコンを使い、2相(Sin、Cos)からATAN2で直線の角度成分に変換することで、回転角度を計測する。

「HAL 302x」の測定原理 「HAL 302x」の測定原理(HAL 3020: 3Zモード、 シングルエンドの例)[クリックで拡大] 出所:TDKミクロナス

 サンプルは既に提供開始していて、100個以下の場合のサンプル単価(参考価格)は、HAL 3020が0.92ユーロ、HAL 2021が1.4ユーロ。量産は、2024年上期を予定している。

 同社の担当者は、「設計がシンプルなため、メカ的な設計が非常に容易になる。高い外乱磁場補正を持ち、ISO 11452-8にも準拠しているため、評価すれば良さを分かってもらえるだろう」と述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.