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HDD大手Seagateの四半期業績は増収増益、利益率が25%前後に上昇福田昭のストレージ通信(283)(2/2 ページ)

» 2025年08月07日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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売上高の93%を占めるHDD製品は前年同期比で3割の増加

 Seagateは製品別の収支を、「HDD製品」と「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」に大別している。売り上げのほとんどを占めるのは「HDD製品」である。「HDD製品」は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つに分けている。

 「大容量品(マスキャパシティ品)」には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。「既存品(レガシー品)」には、ミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどの製品がある。

 これらの定義に基づき、発表資料では売り上げと総出荷記憶容量、平均記憶容量を四半期ごとにまとめていた。

Seagate Technologyの四半期業績の推移(2024会計年度第4四半期(Q4FY24)〜2025会計年度第4四半期(Q4FY25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology Seagate Technologyの四半期業績の推移(2024会計年度第4四半期(Q4FY24)〜2025会計年度第4四半期(Q4FY25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

 2025会計年度第4四半期(2025年4月〜6月期)における「HDD製品」の売上高は前期比14%増、前年同期比32%増の22億8100万米ドルである。売上高全体の93.3%をHDD製品が占める。

 HDD製品の内訳は「大容量品(マスキャパシティ品)」が前期比15%増、前年同期比40%増の20億1200万米ドルである。HDD製品の売上高に占める「大容量品」の割合は88%で前期から1ポイント上昇した。

 「既存品(レガシー品)」の売上高は前期比6%増、前年同期比7%減の2億7000万米ドルである。「既存品」の売上高は漸減傾向が続いている。今期は2四半期ぶりに前期比が増加した。

 「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」の売上高は前期比3%増、前年同期比2%増の1億6300万米ドルとなった。

製品別の売上高と総出荷記憶容量、平均記憶容量(ドライブ1台当たりの記憶容量)の推移 製品別の売上高と総出荷記憶容量、平均記憶容量(ドライブ1台当たりの記憶容量)の推移(2024会計年度第4四半期(Q4FY24)〜2025会計年度第4四半期(Q4Y25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

ニアラインHDDの総出荷記憶容量が前年同期比で52%増と伸びる

 HDD製品の総出荷記憶容量は、全体が前期比13%増、前年同期比42%増の162.5EB(エクサバイト:1018バイト)である。「大容量品(マスキャパシティ品)」は前期比14%増、前年同期比45%増の150.9EBとなった。HDD全体の92.9%を占める。「大容量品」の大半を占める「ニアラインHDD」は前期比14%増、前年同期比52%増の136.6EBとなった。「既存品(レガシー品)」は前期比7%増、前年同期比12%増の11.5EBとなった。

 ドライブ1台当たりの平均記憶容量は、HDD全体が前期比3%増、前年同期比40%増の13.0TB(テラバイト:1012バイト)である。大容量品(マスキャパシティ品)が前期比2%増、前年同期比31%増の16.5TBと容量を伸ばした。既存品(レガシー品)の平均記憶容量も前期比3%増、前年同期比37%増の3.4TBと拡大傾向を継続している。

(次回に続く)

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