CATLの発表は、バッテリー改良を評価する際に用いる多くの指標を思い出させてくれた。体積/重量当たりの蓄電容量、定格出力、最大許容充電倍率(Cレート)、寿命到達までの充電サイクル数(通常は初期容量の80%に設定)、コスト、安全性問題などだ。通常、「画期的」あるいは「革命的」なバッテリー進歩を主張する側(私が目にするほぼ全てのバッテリー発表がこれらの表現のいずれか、あるいは両方を使用している)は、自社の技術を最も良く見せる改善されたパラメータを引用し、進歩のあまり魅力的でない側面は軽視する傾向がある。
このような超高充電速度の追求は実用的に意味があると考えられるだろうか? それとも、現実の設置環境や電力供給網の制約によって、EV充電時間への懸念を解決する手段とはなり得ないだろうか。あるいは、主要高速道路のサービスエリアなど特定の場所に限られた専用充電ステーション向けには実用化されるものの、より一般的な場所では実現しない技術となるかもしれない。自動車購入者と充電インフラはこの機能向上を受け入れられるか、それともEV購入時の希少な高級装備に終わるのだろうか。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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