日昌電気制御は「CEATEC 2025」で、色で作業領域を自動認識する技術「Chromateach(クロマティーチ)」を紹介した。色のついた布などを広げれば作業領域を指示でき、ロボットの立ち入り制限やベルトコンベヤーの制御などに利用できる。【訂正あり】
日昌電気制御は「CEATEC 2025」(2025年10月14〜17日、幕張メッセ)に出展し、色で作業領域を自動認識する技術「Chromateach(クロマティーチ)」を紹介した。
【お詫びと訂正】初出時、社名に誤りがありました。お詫びして訂正致します。[編集部/2025年11月11日午後2時30分]
日昌電気制御は、大阪府泉佐野市を拠点に工場や産業機器の自動化のための制御盤の設計や導入を手掛ける。代表取締役の神藤昌平氏は「これまで、PLC(Programmable Logic Controller)などを用いて工場全体をまとめて制御する集中制御が主流だったが、次世代の取り組みとして制御装置を分散する分散制御が注目されている」と説明する。機能の変更などを柔軟に行えるほか、トラブル時のリスク分散にもなるからだ。
Chromateachはそうした背景で誕生した技術だ。必要なのは一般的な2次元(2D)カメラとコンピュータ、色がついた布や紙のみ。コンピュータ上で「この色の領域ではこの動作をする」と設定すると、カメラで色を識別し、以後その動作を自動で実行する。機器ごとに個別に設定できるので、分散制御が実現する。
従来、こうした作業領域の設定をカメラとコンピュータで行うにはマウス操作や座標入力が必要だったが、Chromateachは現場で色のついた布などを広げるだけで済み、設定変更も容易だ。
これを用いると、製造現場の安全エリア設定などが簡単かつ柔軟に行える。例えば、人とロボットが近くで作業する場合だ。コンピュータ上で「ロボットは緑色の領域に立ち入らない」と設定し、作業者が緑色の布などで領域を指定すると、ロボットが作業者のいるエリアに立ち入らないようにできる。作業場所を移動する際はまた布を広げて領域を設定しなおすだけで良い。
電源があればすぐに稼働するので、大掛かりな配線工事が不要なのも特徴だ。また、コンピュータの負荷も軽いという。神藤氏は「領域指定に用いるのが『色』だけというのは人にとってもシステムにとっても分かりやすく、間違えにくい」と説明する。
ブースでは、ベルトコンベヤーを模したデモを紹介した。ここでは事前に「青色の領域に箱が置かれたらベルトコンベヤーを流し、赤色の領域に流れてきたら停止する」と設定してあり、布を広げて領域を指定すると、設定した通りに動作した。
製造現場のほか、病院や介護施設での見守りなどにも活用できる。色付きのシーツを使って「この色の範囲内に顔があれば正常」と設定すれば、うつ伏せになって窒息の危険がある際などにアラートを鳴らせる。
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