富士通は「CEATEC 2025」に出展し、骨格認識AIを用いたゴルフスイング解析システムを紹介。「AIキャディー」のアドバイスを受けながら、プロ選手でも苦戦するという高低差約1.6mのバンカーショットのデモを披露した。
富士通は「CEATEC 2025」(2025年10月14〜17日、幕張メッセ)に出展し、骨格認識AIを用いたゴルフスイング解析デモを紹介した。
富士通は、2台のカメラから人の体の動きをデータ化する骨格認識AIを開発している。骨格認識AIは複数の企業が手掛けているが、富士通のものは体にマーカー(目印)をつけずに利用できることと、高精度かつ高速であることが特徴だ。
富士通は各分野の知見を有するパートナーと提携して、この技術をスポーツの採点や練習補助に活用することを目指していて、体操では既に採点支援として開脚の角度や回転などの確認に用いられている。
ゴルフでは、AIを用いたゴルフレッスンシステムを手掛けるAIGIAがスイングフォームに関するデータを、タイヤやゴルフ用品を手掛ける横浜ゴムがボールの弾道に関するデータを提供している。
会場では、短い距離のアプローチショットと、バンカー(砂地)に入ったボールを砂ごと打つバンカーショットのデモを披露した。
デモ用に設けられたバンカーは、東急セブンハンドレッドクラブの18番ホールに実在する高低差約1.6mのバンカーを再現したもので、プロでも苦戦する「名物バンカー」だという。砂も同じものを使い、完全再現した。
デモの流れは、参加者がまず練習ショットを打つと「AIキャディー」と称するAIエージェントが分析とアドバイスを行う。その後、本番ショットを打つとさらに練習と本番との比較を踏まえたアドバイスが受けられるというものだ。
富士通の説明員は「富士通では、AIは人の職業を奪うものではなく、人の能力を拡張するものだと考えている。今回のデモはAIのサポートでバンカーを脱出するというものだ。『仕事や人生の壁をAIと一緒に乗り越えてほしい』という意味を込めた」と述べた。
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