大阪大学は、小型エッジデバイスに搭載し、その内部でリアルタイム学習と予測機能を実現できる「エッジデバイスAI」を開発した。最新の深層学習による予測手法と比べ、最大で10万倍も高速化でき、精度は60%も向上させた。消費電力は1.69W以下である。
大阪大学産業科学研究所の松原靖子教授と櫻井保志教授は2025年10月、小型エッジデバイスに搭載し、その内部でリアルタイム学習と予測機能を実現できる「エッジデバイスAI」を開発したと発表した。最新の深層学習による予測手法と比べ、最大で10万倍も高速化でき、精度は60%も向上させた。消費電力は1.69W以下だ。
産業用組み込み機器や車載IoT機器、医療分野における埋め込み型/ウェアラブル機器など、小型エッジデバイスにおいても、高速AI処理の要求が高まっている。ところが、これまでのエッジAIは、大規模クラウド環境においてビッグデータを事前に学習し、その固定モデルをエッジデバイスに実装して推論を行う手法が一般的だった。これに対し、エッジデバイス側でリアルタイム学習を行う研究も行われているが、膨大なデータを処理する能力が必要で、電力の消費量なども課題となっていた。
研究グループは今回、小型エッジデバイスに搭載できるリアルタイム学習と予測機能を備えたAI技術を開発した。具体的には、計測したデータを小型エッジデバイス内部で特徴的なパターンごとに分析し、シンプルかつ多数のモデル群を用いて統合的に表現した。そして自己学習や環境適応、進化を自ら繰り返すことで、リアルタイムのモデル学習や将来予測を可能にした。
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