メモリとストレージの市場アナリストとして知られるJim Handy氏の講演を紹介するシリーズの後編。メモリのファウンドリー事業の可能性や、決して新しくはないプロセッサインメモリ技術、ストレージ化する半導体メモリなどを取り上げる。
(ご注意)今回は前編の続きです。まず前編を読まれることを強く推奨します。
前編(前回)では、著名アナリストJim Handy氏の講演「起こりつつある11個の重要な変化(Eleven Crucial Changes Coming)」から、最初の5つの変化(キーワード)をご説明した。今回は残り6つの変化(キーワード)をご紹介する。
以下は11個のキーワードの中から、Handy氏がある程度の説明を加えた項目だけに絞っていく。後編の始めは6番「エンタープライズ向けSSDの台頭(The rise of enterprise SSDs)」である。SSDはクライアント向けのHDD互換品から普及が始まった。このため、当初の製品はHDDと同じSATAインタフェースと、2.5型HDDフォームファクタの組み合わせが標準的だった。
最近ではPCIeインタフェースやCXLインタフェースといった独自のインタフェースに、E1.LやM.2などの独自のフォームファクタを組み合わせたSSD、さらにはAI用途に特化したSSD、液体冷却によって放熱性を高めたSSDなどがエンタープライズ向けに登場した。
7番の「DRAMとNANDフラッシュメモリの動き(DRAM and NAND dynamics)」と8番の「グローバルな経済と戦略の要素(Global economic and strategic factor)」は省略する。9番の「メモリはファウンドリーを使うようになるのか?(Will memories use foundries?)」は将来を想定したときに、一考の価値があるテーマだ。
現在のところ、ファウンドリー(製造請負)事業と言えば、ロジック(埋め込みメモリを含む)が主流である。ロジックのファウンドリー事業が成立した背景には、設計と製造の役割分担がしやすいこと、生産数量が少なめなのでロジック半導体サプライヤーは製造設備に投資しにくいこと、などの理由がある。
一方、メモリ(単体メモリ)のファウンドリー事業というのは成立するのだろうか。筆者の記憶では、強誘電体メモリ(FRAM)と抵抗変化メモリ(ReRAM)で相手先ブランドの製造事例がある。これらは提携関係によるものであったり、あるいは表向きには公表していない事例だったりした。
単体メモリ事業は独自の製造技術が必要であり、生産数量が大きいので製造に投資しやすい、製造コストの低減に強くこだわるといった事情がある。いずれもファウンドリー向きではない。とはいうものの、DRAMとNANDフラッシュメモリを除けば、メモリ製品は市場規模が非常に小さい。こういったニッチなメモリ製品ではファウンドリー事業の余地がありそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング