名古屋大学の研究グループと東京エレクトロン宮城は、ウエハーを冷却しフッ化水素(HF)プラズマを用いる反応性イオンエッチング(RIE)プロセスのメカニズムを明らかにした。SiO2(二酸化ケイ素)膜のエッチング速度を従来プロセスに比べ5倍も向上させた。エッチングガスにHFを用いるため環境負荷も低減できるという。
名古屋大学低温プラズマ科学研究センターのシャオ シーナン特任教授および堀勝特任教授らの研究グループと東京エレクトロン宮城は2026年1月、ウエハーを冷却しフッ化水素(HF)プラズマを用いる反応性イオンエッチング(RIE)プロセスのメカニズムを明らかにしたと発表した。SiO2(二酸化ケイ素)膜のエッチング速度を従来プロセスに比べ5倍も向上させた。エッチングガスにHFを用いるため環境負荷も低減できるという。
GAA(Gate-All-Around)トランジスタや3D NANDフラッシュメモリのように、微細で複雑な構造のデバイス製造において、これまでのRIE技術だとエッチング速度が大きく低下するという課題があった。そこで今回は、ウエハーを冷却しHFプラズマを用いる新たなプロセスを提案した。
基板温度を−60℃などの低温に保つと、エッチングガスのHFと、反応生成物である水(H2O)がSiO2表面に吸着した。このH2Oが触媒となって、SiO2のエッチング活性化エネルギーをほぼ「ゼロ」にすることが分かった。
さらに、イオン照射エネルギー(バイアス電圧)を大きくすると、H2Oの量が増え、これが表面に吸着しHFを引き付ける「自己触媒サイクル」が加速される。こうした「イオン強化表面自己触媒反応」によって、エッチング反応が飛躍的に加速されることから、従来技術に比べ超高速で高スループットなエッチングが可能となった。
研究グループは、「新たなプロセスにより、SiO2膜のエッチングスループットは、従来の室温または低イオンエネルギー条件と比べ約100倍に向上することを実証した」という。
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