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GF、SynopsysのARC IP事業を買収へ MIPSとARCが同一傘下に「フィジカルAIに攻勢」(2/3 ページ)

» 2026年01月20日 11時00分 公開
[Nitin DahadEE Times]

SynopsysはなぜARCプロセッサ事業を手放すのか

 ここでSynopsys側に視点を移すと、頭に浮かぶ疑問は「なぜSynopsysはプロセッサ事業を売却するのか」ということだ。

 Synopsysは2010年にVirage Logicを買収し、ARCプロセッサポートフォリオを入手した。当時のCEOだったAart de Geus氏は、これによってSynopsysのArmとの提携を補完できるとして、非常に前向きな姿勢を見せていた。それ以降Synopsysは、ARCプロセッサのポートフォリオを大きく成長させてきた。同社が新しい製品/ツールの開発に莫大な労力を投じてきたことは明白だ。

 しかし、EE Timesとしては「プロセッサ事業の売却を検討していたSynopsysに、MIPS事業を新たに買収したGFが、話し合いを進める上での自然な道筋を提供したのではないか」と解釈している。

 さらに、Synopsysのプレジデント兼CEOを務めるSassine Ghazi氏はこれまで、規律あるポートフォリオやコスト管理などに関するコミットメントの他、ファウンデーション/インタフェースIPにおけるリーダーシップの強化などについて語ってきた。同氏は、2025年12月に行った同社の業績発表の中で、こうした重点的な取り組みについて「2026年は、IP事業にとって移行の年となるため、成長は低迷するとみている。しかしわれわれは重要なインターコネクト/ファウンデーションIP分野におけるリーダー的な位置付けや、健全なセールスパイプラインを確保していて、最も価値の高い機会へと新たに注力していく。そして、長期的には10%台半ばの成長目標を達成できると確信している」と述べている。

 Synopsysは業績発表において、プロセッサIPの売上高については個別で取り上げずに、「設計IP」としてひとまとめに提示した。その中には、ファウンデーションIPからインターコネクトIP、プロセッサIPまでの全てが含まれている。2025年10月31日までの12カ月間における同社の設計IPの売上高は17億5000万米ドルで、これは前年同期比8%減となる。なお、この設計IP部門は売上高全体の約25%を占め、残りの75%は設計自動化ツール部門が占める。

 SynopsysのシリコンIP製品管理部門担当シニアバイスプレジデントであるNeeraj Paliwal氏は、2026年1月14日に行ったインタビューの中で、「今回の取引はわれわれにとって、ポートフォリオ管理の一環だといえる。その背景にあるのはシンプルなテーマだ。AI向け市場が急激に成長していることを受け、ファウンデーション/インタフェースIPをはじめとする当社のコアIPに対する需要も非常に大きくなっている。ファウンデーションIPには、セルライブラリや組み込みメモリから、IO、OTP、PUF、セキュリティに至るまで全てが含まれている。またインタフェースIPは、われわれが現在最も大きな成長を見込んでいる分野だ」と述べている。

 SynopsysのGhazi氏は、事前に準備した声明の中でこの焦点について強調していて、「当社のIPリソースとロードマップにターゲットを絞り、重要なインタフェース/ファウンデーションIPにおけるリーダーシップをさらに強化する。それと同時に新しい高価値の機会を勝ち取り、シリコンからシステムまでのエンジニアリングソリューションのリーダー的プロバイダーとしての地位を高めていく。GFは将来的に、プロセッサIPソリューション事業を管理する上で優れた役割を担うだろう。われわれは、開発チームや顧客、パートナー企業が円滑に移行できるよう支援する」と述べている。

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