今から約25年前のRISCプロセッサ市場では、Armがリーダーとして君臨していた。そしてMIPSが登場し、その後にArgonaut RISC Cores(のちにARCに改名)とTensilicaという2社の新しいスタートアップが続いた。ARCは、Rick Clucas氏とJez San氏が創設した企業で、James Hakewill氏がプロセッサアーキテクトを、Jon Sanders氏がそのサポート役を務めていた。Tensilicaは、Chris Rowen氏が創設した企業だ。また、ここ10年の間にRISC-Vアーキテクチャが台頭し、現在では市場に大きく広がっている。
ARCとTensilicaの大きな相違点は、32ビットRISCコアにおけるユーザーコンフィギュラビリティ(ユーザーによる設定可能性)だ。これは、グラフィカルインタフェースツールを使用して、必要な機能だけをコアに実装することで、その設定向けに特化したRTLを生成するというものだ。ARCは、それをバックアップするソフトウェアツールを提供するために、米国カリフォルニア州サンタクルーズに拠点を置くMetawareと協業し、最終的には同社を買収することになった。
ARCについて興味深いのが、同社はもともと、1990年代に任天堂に向けたハードウェアアクセラレーターチップ「Super FX」を開発したことで、初期の資金を獲得し、大きく飛躍したという点だ。Jez San氏は、2020年に行われた雑誌の取材の中で、「われわれは、Super FXチップに関しては非常に先進的な考え方をしていた。というのは、ハードワイヤードなポリゴンエンジンではなく、完全にプログラム可能なRISCマイクロプロセッサを設計したからだ。単なるポリゴンではなく、3Dマッピングやピクセルシェーディングを可能にしたことで、業界初となるGPUを他社よりも何年も先に実現できた。21MHzでしか動作できなかったということ以外は、何でもできたのだ」と語ったという。
ARCはこのような成功を収め、当時Intel MobileやSanDisk、キヤノンの他、さまざまな低消費電力のコンシューマー製品のデザインインを獲得した後、2000年に英国ロンドン証券取引所において10億米ドル規模の新規株式公開(IPO)を果たした。
その後、ARCは2009年に、Virage Logicに約4200万米ドルで買収された。次いでSynopsysが2010年にVirage Logicを3億1500万米ドルで買収し、続いて2013年にはCadenceがTensilicaを3億8000万米ドルで買収している。
【翻訳:青山麻由子/田中留美、編集:EE Times Japan】
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