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TSMCは2nmで主導権維持、SamsungとIntelに勝機はあるかRapidusは『ワイルドカード』?(2/3 ページ)

» 2026年01月27日 11時00分 公開
[Alan PattersonEE Times]

SamsungとIntel、先端ノード量産で立ち遅れ

 TSMCがその技術ロードマップを遂行し続けながら、顧客に十分な能力を提供している一方、ライバルのSamsungとIntelは高度なノードでの生産に向けたコミットメントの実現に苦労している。

 2025年10月、Intelは同社初のGAAトランジスタプロセス「Intel 18A」の増強を発表した。これは、TSMCのN2に対抗するものだ。Intelは、この18Aプロセスを用いて、米国アリゾナ州の新工場「Fab 52」で、「Panther Lake」および「Clearwater Forest」プロセッサの製造を行っている。当初、Intelは18Aの量産開始を2025年初頭に予定していて、初期製品として「Panther Lake」が2025年に登場する見込みだった。

 Jones氏は「TSMCと競合他社との間の差は縮まるどころか、むしろ広がっている」と指摘している。

 同氏はまた、「ウエハーやパッケージングの高い生産量を確保できる供給元が1社しか存在しないというのは、業界にとって大きな問題だ」とも語った。

 2022年、SamsungはGAAを製造プロセスに採用した世界初の半導体メーカーとなったが、AIプロセッサ向け3Dチップの製造に用いられる新技術の採用でつまずいている。

 「Samsungは依然として問題を抱えているが、IntelはPanther Lakeの製造開始を発表したことで、プロセスが成熟すればIntelが新たなファウンドリー顧客を獲得する可能性はある」と、独立系アナリストのMike Demler氏はEE Timesに語った。

 「TSMCにとって、2nmノードが初のGAAプロセスとなる。ただし、Intelの18Aが備える裏面電力供給技術は採用していない」とDemler氏は述べている。

 「TSMCは今後、2NPや1.6nm、さらに1.4nmプロセスで段階的に改良を加えていく予定で、これらの技術が今後3〜5年にわたり先端技術の最前線を構成するだろう」(同氏)

 Hutchison氏は、TSMCのN2プロセスについて「裏面電力供給技術は備えていないものの、GAAの有効性を示すことになる。その結果として、N2は速度と消費電力の両面で大きな改善をもたらすが、トランジスタ密度の向上については、従来のN3Eと比べて平凡な結果にとどまっている」と説明した。

高まる地政学的リスク、TSMCの地位が揺らぐ可能性は?

 TSMCは、世界の最先端チップの90%以上を製造していて、IntelとSamsungは、TSMCから主要顧客を奪うことはできていない。DGA Groupの中国および技術政策担当リードであるPaul Triolo氏は、TSMCのこの地位が地政学的な要因などにより揺らぐ可能性もあるとEE Timesに語った。

 「先端ノードにおける競争は、SamsungとIntel、さらにRapidusの登場によって複雑さを増している。IntelとSamsungには、製造能力の確保や供給保証、多拠点による冗長性、地政学的リスクのヘッジ(台湾以外での生産)、さらにはウエハー価格やエンジニアリング支援、納期保証といった商業条件の面で勝機があるかもしれない」とTriolo氏は述べている。

 TSMC自身も、最近では台湾以外での工場建設を進めている。台湾は、今後米中間の紛争に巻き込まれるリスクがある地域と見なされている。

 Triolo氏は、TSMCの全体的な市場シェアが「非常に大きく」、70%を超えている可能性があると指摘する。そのため、競合他社の「進出」は、TSMCの圧倒的な支配を短期間で崩すものではなく、高付加価値分野での限定的な成功にとどまる可能性が高いと見ている。

 「Intelは、米国の主権確保やハイパースケーラー向けのカスタムシリコン、ネットワークやASICの特定分野で、Intel 18Aの立ち上げが確実に進み、エコシステムが整備されれば、一定のシェアを獲得できるだろう。AWSのような取り組みがそのテンプレートになる」とTriolo氏は述べた。

 「Samsungは、米国内の工場や量産の立ち上げによってシェアを獲得できる。TeslaやAppleとの供給関係がその典型例であり、顧客が先端ノードにおける第2の供給元を明確に求めているケースだ」(同氏)

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