――ダマシンプロセスに用いる絶縁材料にはどのような特性が求められますか。FPIMシリーズはどのようにそれに応えるものですか。
緒方氏 顧客が重視するのは解像度、すなわち「いかに微細かつ精密な配線が形成できるか」だ。ダマシンプロセスでは、まず絶縁膜を形成してからそこに配線パターンの溝を作り、金属を埋め込んでパターンを形成する。この絶縁膜のパターン精度が、そのまま最終的な配線寸法を左右する。FPIMシリーズはこの絶縁膜に用いる材料だ。ここで求められるのは、固めたところはしっかり固まって溶けず、固めていないところはきれいに除去できるという溶解コントラストの高さだ。これが中途半端だと、固めたはずの部分が崩れてしまい、後から金属で形成するパターンもゆがんで太い部分ができるので、精密な配線が実現しない。
半導体製造工程で用いる材料には、ソルダーレジストのように最終製品まで「残る材料」とフォトレジストのように途中で除去してしまう「残らない材料」があり、ダマシンプロセスの絶縁膜は残る材料だが、残る材料で溶解コントラストを高めるのは難しい。太陽インキ製造はソルダーレジストが主力製品で、残る材料の組成などの知見があることから、高い溶解コントラストを実現できた。業界関係者からは「残る材料でここまできれいなパターンを形成できる例は見たことがない」と好評だった。
他には絶縁性や耐腐食性ももちろん重要だが、それもソルダーレジストで培ってきた技術によって高水準で実現している。
――今後はどのように研究開発を進めていきますか。
緒方氏 ダマシンプロセスの普及は、個人的な仮説だが、2027年後半ごろからプロセスを確定させる動きが始まり、2028年ごろから試作品ができ始め、2030年ごろには量産が増えてくるのではないかと見ている。
2025年12月に出展した「SEMICON Japan 2025」では、想像以上に興味を持ってくれる顧客が多かった。ダマシンプロセスはコストが高いが、AI半導体の需要が高まる中で「コストがかかっても高性能のものを選ぶ」という風潮があるのは追い風だ。
FPIMシリーズは、imecとの共同研究でCD 1.6μmまで検証できたので、今後は500nmとさらなる微細配線を目指す。ここまで微細になると配線同士の距離がとても小さくなり、絶縁破壊を起こしやすくなる。それでも高い信頼性を保てるということを、2027年夏ごろまでに検証したい。
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