アナログ半導体の最大手ベンダーであるTexas Instruments(TI)が、米国のテキサス州リチャードソンに開設した半導体ファブ「RFAB」を報道関係者に公開した。このRFABは、2つの点で半導体業界「初」のファブである。
Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)は2011年6月20日の週に、米国のテキサス州リチャードソンに開設した半導体工場「RFAB」を少数の報道関係者に公開した。RFABは、300mmウエハーを導入したアナログ半導体ファブとしても、全米グリーンビルディング評議会(USGBC:U.S. Green Building Council)が定める環境配慮型の建築基準「LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)」認証を取得したファブとしても、半導体業界で初めてである。
RFABの着工は2004年にさかのぼる。建設自体は2007年までに完了していたが、その後、経営破たんしたDRAMベンダーのQimondaから300mmウエハー対応の量産用設備を1億7250万米ドルという破格の値段で譲り受けるまで、2年以上もの間、待機状態にあった。
TIのTechnology and Manufacturingグループでワールドワイドマニュファクチャリングのバイスプレジデントを務めるPaul James Fego氏によれば、Qimondaから製造設備を譲り受けられるという話がなければ、RFABは200mmウエハー対応のアナログ半導体ファブになっていたという。「建物を完成させた後で、製造設備の譲り受けの話が持ち上がった。当社は、われわれのアナログ事業の幅と規模ならば300mmファブの製造能力を満たせると考えた」と同氏は話す。
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