2011年第2四半期におけるPC市場は、前期比、前年同期比ともに増加となった。中でも堅調な伸びを記録したのがLenovoである。反対に、Acerの売上高は減少した。
IHS iSuppliによると、2011年第1四半期における世界のPC市場は、四半期ベースおよび年間ベースで縮小傾向だったものの、同年第2四半期には成長路線に回復したという。2011年第2四半期における世界のPC出荷台数は、前期比で3.7%増、前年同期比では6%増となる8560万台だった。
IHS iSuppliは、2011年第2四半期におけるPC出荷台数の上位5社を発表した(図1)。それによると、Lenovo Groupはランキングで順位を1つ上げ、Hewlett-Packard(HP)とDellに続く世界第3位のPCメーカーの座を獲得したという。Lenovoは、上位5社のPCメーカーのうち、成長率が前期比および前年同期比とも最も高かった。具体的には、Lenovoの2011年第2四半期におけるPC出荷台数は、前期比で25.6%増、前年同期比では23%増となる1020万台となっている。
一方、台湾のAcerは、トップ5社の中で唯一、売上高が減少した。Acerの2011年第2四半期におけるPC出荷台数は890万台で、これは、前期比で4%減、前年同期比では20%減となる。同社は、2011年第1四半期の世界PC出荷台数ランキングでは第3位だったが、今回はLenovoに追い抜かれ、第4位に順位を落とした。
IHS iSuppliのコンピュータプラットフォーム部門で主席アナリストを務めるMatthew Wilkins氏は、発表資料の中で、「2011年第2四半期にLenovoの業績が伸びた要因としては、まずは中国の経済が好調でPC需要が大きく伸び続けているなど、中国の国内市場が堅調であることが挙げられる。これに加えて、世界の他の地域においても売上高が増加した。例えば、アジア太平洋地域や米国などでは、エンタープライズ部門からの需要が大きかったため、高い業績につながった。Lenovoとは対照的に、Acerは、特に西欧における在庫の問題で苦労し、出荷台数が伸び悩んだ上に市場シェアも失う結果となった」と述べている。
Acerは2011年第2四半期に、流通在庫の管理を改善するための対策に着手した。しかし、PCの消費者需要が低く、当初の予定通りに早い段階で在庫を削減できなかったことから出荷台数が伸びなかったとみられている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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