DECTは、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が1992年に策定したデジタルコードレス電話機用の無線通信規格。その業界団体であるDECT Forumは、日本国内においてDECT方式の普及を促すことを目的に、ジャパンワーキンググループを設立した。
1.9GHz帯を使うデジタルコードレス電話機用の無線通信規格「DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)」の普及促進を図る業界団体である「DECT Forum」は2012年2月14日、ジャパンワーキンググループを設立したと発表した。
DECTは、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が1992年に策定した規格。欧州や米国のデジタルコードレス電話機に広く採用されている。日本では、2010年10月に総務省によりデジタルコードレス電話機の無線局の技術基準が改正され、1.9GHz帯を使うデジタルコードレス電話機の通信方式として京セラが提案したsPHSと、DECTの2つが使えるようになった。
ジャパンワーキンググループでは、日本国内においてDECT方式の普及を促すための取り組みを進める。例えば、家電量販店でひと目でDECT方式と分かるようなロゴ/名称の策定や、海外製と日本製の違いを明確化するといった取り組みである。
DECT方式を採用する場合、各国で使用が許可されている1.9GHz帯の周波数チャネルやスプリアスの規制内容、出力電力値などが異なる。従って、海外製のDECT準拠のデジタルコードレス電話機を日本国内でそのまま使うことは認められておらず、日本国内で使うには技術基準適合証明(技適)を取得する必要がある。
現在日本国内では、ISM周波数帯である2.4GHz帯を使った家庭用デジタルコードレス電話機が普及している。これに比べ、DECT方式は1.9GH帯を使うため、2.4GHz帯を使うさまざまな機器からの干渉を受けにくいといった特徴がある。2010年12月に日本国内で初となるDECT準拠のデジタルコードレス電話機が製品化された後、2011年には複数の企業が対応機種を発売している。現在DECT Forumでは、超低消費電力のDECT規格の策定を進めている。これは、宅内のさまざまなセンサーやリモコンを相互に接続するといった新たなアプリケーションを狙った規格だという。
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