SIAは、IntelとAMDが脱退後、初めてとなる半導体売上高の報告書を発表した。売上高は前月比では減少したものの、2012年の半導体市場は力強い回復がみられると予測している。
米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は2012年3月5日、「2012年1月における世界半導体売上高の3カ月移動平均値は、2011年12月の238億米ドルから2.7%減となる231億米ドルだった」と発表した。今回の月例報告書は、IntelとAMD(Advanced Micro Devices)が世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)からの脱退を表明してデータの提供を停止して以来、最初の報告書となる。
WSTSのデータによれば、2012年1月における世界の半導体売上高は、前年同月比で8.8%減となった。
SIAのプレジデントを務めるBrian Toohey氏は、発表資料の中で、「2012年1月の売上高が前月比で減少した要因には、季節的な傾向もある。また、世界経済の低迷に加え、インフレへの懸念や、欧州の債務危機といった要素も、2011年から引き続いており、2012年最初の売上高に影響を及ぼす結果になった。しかし、2012年は力強い回復と成長を示す兆候がみられる」と述べている。
SIAは、米国経済が好転して先行きが明るいことや、タイで洪水被害からの復興が進んでいることなどから、世界半導体売上高は伸びていくと予測している。
SIAは今後も引き続き、世界半導体売上高の月例報告書を発表するとともに、従来のスケジュール通りWSTSデータを発行すると明言した。Intelは2012年2月に、AMDは2011年に、それぞれ「WSTSに参加する意味を見いだせない」として脱退を表明した。アナリストらは、「AMDとIntelは、プロセッサ市場においてほとんどのシェアを占めていることから、プロセッサの売上高に関するデータをWSTSに報告すると、一般向けに公開される情報量が多くなりすぎると判断したのではないか」と分析している。
SIAの広報担当者によると、WSTSは、AMDとIntelに加え、データを報告していないその他の半導体メーカーについても、2012年1月の売上高を推定しているという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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