携帯機器向け半導体市場が堅調な成長を見せている。同市場の売上高シェアは、10社のトッププレーヤだけで全体の7割強を占める。
米国の市場調査会社であるABI Researchによると、2011年における携帯型機器向けチップセットの売上高は、前年から20%以上増加して350億米ドルに達したという。その一方、半導体市場全体の売上高は、前年比2%増にとどまった。
半導体市場の成長を後押しする要因となったのは、スマートフォンやタブレット端末、電子書籍リーダー端末などをはじめとする携帯機器の人気の高さである。これらの機器には、モデムICやアプリケーションプロセッサ、無線チップ、MEMSセンサー、オーディオICなど幅広い半導体部品が採用されている。
売上高全体の大半を占めているのが、モデムやアプリケーションプロセッサ、無線チップなどを統合したプラットフォームチップである。同分野の競争は、激しさを増す一方だ。プラットフォームチップを手掛けるメーカーとしては、QualcommやST-Ericsson、MediaTek、Intel、Texas Instruments(TI)、Broadcom、Marvell Technology Group、ルネサス モバイルなどがある。
現在、携帯機器向け半導体市場における売上高のシェアは、トップ10社が75%を占めている。また、ニッチ市場においてサプライヤの買収や撤退が進んでいることから、これら10社は、今後もその優位性を維持するとみられる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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