2012年第3四半期に最も売れたスマートフォンはSamsungの「GALAXY S III」だという。Appleの「iPhone 4S」は第2位だった。ただし、発売間もない「iPhone 5」が既に第3位にランクインしており、GALAXY S IIIがトップの座を維持する期間はわずかだという見解もある。
米国の市場調査会社Strategy Analyticsは2012年11月、Samsung Electronicsの「GALAXY S III」がAppleの「iPhone 4S」を抜き、2012年第3四半期に世界で最も売れたスマートフォンになったと発表した。Strategy Analyticsによれば、同四半期におけるGALAXY S IIIの出荷台数は1800万台。一方のiPhone 4Sは1620万台だった。
Strategy AnalyticsのシニアアナリストであるNeil Shah氏は、発表資料の中で、「GALAXY S IIIは、2012年第3四半期におけるスマートフォンの世界市場で11%のシェアを獲得し、最も売れたスマートフォンという地位を初めて奪取した。その主な要因としては、大型化が図られたタッチパネルという同製品の特徴が挙げられる。それ以外に、数十カ国に及ぶ販売地域の多さ、通信事業者からの販売奨励金の多さなども要因として挙げられるであろう」と説明している。
また、Strategy Analyticsでエグゼクティブディレクターを務めるNeil Mawston氏は、「GALAXY S IIIは、北米や欧州、アジアなどにおいて、消費者だけでなく通信事業者からも高い人気を得ている」と述べている。なお、米国の市場調査会社ABI Researchは2012年10月に、「Samsungは、非常に多くの種類のスマートフォン製品を取りそろえた。これにより、2012年第3四半期における同社製スマートフォンの出荷台数は、Apple製スマートフォンの出荷台数の2倍以上に達した」と発表していた(関連記事)。
ただし、GALAXY S IIIが出荷台数第1位の座を維持できる期間は長くなさそうだ。というのも、2012年9月末にAppleが発売したばかりの「iPhone 5」が、2012年第3四半期に600万台の出荷台数を記録し、既に第3位にランクインしているからだ。Strategy Analyticsによると、iPhone 4Sの購入を検討していた消費者の多くが、iPhone 5の発売を待って買い控えしたことも、GALAXY S IIIが同四半期に首位を獲得できた要因の1つに挙げられるという。
Strategy AnalyticsのMawston氏は、発表資料の中で、「2012年第4四半期には、iPhone 5の出荷台数はGALAXY S IIIの出荷台数を上回るだろう。Appleのスマートフォンが、“世界で最も人気のある製品”という地位を取り戻す日は近い」とコメントしている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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