Samsung Electronicsは、米国のパワー半導体メーカーに4ビット/8ビットマイコン事業を売却した。モバイル事業に注力するための戦略だという。
米国のパワー半導体メーカーであるIXYSは2013年5月、Samsung Electronicsの4ビット/8ビットマイコン事業を5000万米ドルで買収すると発表した。なお、IXYSは2010年に、マイコンのパイオニアであるZilogを買収している。
IXYSは、4ビット/8ビットマイコン事業に関連する80製品と、その在庫、IP(Intellectual Property)および関連資産を引き継ぐ。買収手続きは、規定の合意事項(クロージングコンディション)が満たされれば、6月中にも完了する見通しだという。
Samsungは、IXYSとのファウンドリ契約を拡張し、同契約に基づいて今後も4ビット/8ビットマイコンの製造を続ける。
SamsungのシステムLSI戦略計画チームでシニアバイスプレジデントを務めるBen Suh氏は、IXYSが発表したプレスリリースの中で、「モバイルソリューションに注力すべく、今回の4ビット/8ビットマイコン事業の売却を決定した」と述べている。
IXYSのCEO(最高経営責任者)兼チェアマンであるNathan Zommer氏は、同プレスリリースで、「今回の事業買収によって、当社とSamsung両社のIC事業全体の利益が増加することを期待している」と述べた。
Zommer氏は、「マイコンをはじめとするIC製品のシェアを拡大し、産業機器、医療機器、民生機器の分野で顧客を増やしていく計画だ。4ビット/8ビットマイコンは、当社のミックスドシグナルICとパワー半導体に適している。パワーマネジメント向けの完全な製品ラインアップを提供できるようになる」と付け加えた。
市場調査によると、2013年の4ビット/8ビットマイコン市場は35億米ドル規模に達し、マイコンの出荷数は67億個に上ると予想されるという。
IXYSでプレジデント兼CFO(最高財務責任者)を務めるUzi Sasson氏は、「今回の買収によって、IXYSの製品ポートフォリオを強化できるだけでなく、Samsungとの協力関係をより強固なものにできる」と述べた。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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