アップルとサムスン電子の特許裁判では、大量の書類や電子メールが証拠として公開されている。その中から何度も裁判中に引用されたものをいくつか紹介する。
AppleとSamsung Electronicsの特許訴訟では、数千ページにも及ぶ証拠書類が提出されている。今回この中から、これまで数多く引用されたものや、説得力のあるものをいくつか紹介したい。8人から成る陪審員団は間もなく、すべての資料および証拠書類について審議を開始する予定だとされている。
Appleは、Samsung製スマートフォンがAppleの5つの特許を侵害していると主張しているが、その一方でSamsungは、AppleがSamsungの2つの特許を侵害したと主張する。しかし、裁判資料の大半は、これらの主張内容とは直接関係性がない。むしろ両社は、動きの速いモバイル市場の中で、最も激しい直接対決を繰り広げるに至ったその背景について、説明しようとしているようだ。
まずは、両社の訴訟における特許侵害の1つに深く関わりがある証拠資料の中から、下図の2ページを取り上げたい。Appleは、「Samsungは、自社製スマートフォンと『iPhone』を並べて比較している。これこそが、Samsung製スマートフォンがAppleの特許技術を意図的に侵害したことを示す証拠だといえる」と主張している。
Appleは、Samsungが自社製スマートフォンの試作品とiPhoneとを詳細に比較した複数のリポートを、証拠として提出した。中には132ページに及ぶものもある。これらのリポートの大半が、開発担当者に対してiPhoneの模倣を指示している内容である他、iPhoneのインタフェースについて「面白い要素だ」と評価している箇所もあるという。
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