「2014 FIFAワールドカップ」の開催まであと1カ月を切った。試合の様子などの情報を提供するのは報道機関だけではない。数百万人もの観客がSNSを使ってリアルタイムに動画や画像、コメントなどを現地から発信するだろう。ブラジルはネットワーク環境の構築を急ピッチで進めているが、問題も多いようだ。
世界中のサッカーファンの注目を集める「2014 FIFAワールドカップ」が、2014年6月12日からブラジルで開催される。少なくとも370万人が観戦のためにブラジルに入国する見込みだという。このため同国では、大勢のファンたちが確実に携帯電話網に接続できるよう、新しいネットワークの導入を本格的に進めているが、その成果のほどは今のところ不明だ。
ブラジルでは、12の都市においてスタジアムの新設/改築が行われ、計64試合が実施される予定だ。12のスタジアムのうち6カ所は、現在も無線LANや4G(第4世代)ネットワークの試験が行われている最中だという。まだ建設中のスタジアムも2カ所ある。さらに、数人の作業員が死亡する事故が発生した建設現場もあることから、建設完了期限に間に合わせるために過度な作業が行われていることが分かる。
ブラジルの国家電気通信庁であるANATELは、超過が予測されるモバイルトラフィックへの対応の一環として、人口50万人以上の試合開催都市に対し、2014年5月31日までに4G通信をサポートすることを義務付けた。この期限日を順守できなかった通信事業者については、ライセンスを失効させるという。
Bloombergによれば、ブラジルの携帯電話機ユーザー数は2億6800万人で、世界ランキング第5位の規模だ。観測筋によると、数百万人のサッカーファンに対応するためには、既存の3Gインフラストラクチャだけでは不十分だという。
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