NHK放送技術研究所は、カメラと「Kinect for Windows センサー」を利用して視聴者の興味を推定するテレビを、「技研公開 2014」で紹介した。推定した興味を基に番組をナビゲートする機能など、新しいサービスを展開したいと語る。
NHK放送技術研究所(NHK技研)は、「技研公開 2014」(2014年5月29日〜6月1日)において、視聴者の興味を推定するシステムを搭載したテレビを展示した。テレビに取り付けたカメラと「Kinect for Windows センサー」で、視聴状況(テレビを見ているのかどうか)と、喜びや驚きといった表情を検出し、番組の内容とひも付けて、視聴者の興味を推定するというもの。
例えば、視聴者が、竜神大吊橋(茨城県常陸太田市)でバンジージャンプをする番組を見て驚いたとする。すると、「テレビを見ている」「驚いている」と判定され、「竜神大吊橋」「バンジージャンプ」「茨城県」といった情報が“興味キーワード”として登録される仕組みだ。技研公開では、テレビとタブレット端末をつないでタブレット端末に“興味キーワード”を表示し、そのキーワードをクリックすると、インターネット上の関連サイトにアクセスできるというデモを行っていた。
NHK技研は、「このシステムを利用すれば、“興味キーワード”を基にした番組ナビゲーション機能などの新しいサービスを展開できる」と述べる。
NHK技研は、同システムの開発を数年前から進めている。担当者によれば「2年前まではカメラだけを使っていたが、顔の“奥行き”の情報があった方が精度が高まるので、Kinectを取り入れた」という。判定の精度は、視聴状況は8割以上で、表情については、“表情が変化している”というレベルであれば7割以上だという。
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