IntelとTSMCはこれまで、プロセス技術開発を推進するためにASMLに資金を投じてきた。
Intelは2012年7月、EUV技術の普及を加速すべく、最大41億米ドルをASMLに投じることに合意した。またTSMCは同年8月、最先端の製造ノウハウを確保しようと、ASMLに11億1000万ユーロ(約1640億円)を投資することで合意したと発表している。
Intelは最近、EUV技術の実用化の可能性について懸念を抱いていたが、ASMLはそれをある程度払拭することができたことになる。
van Hout氏は、「両社の主張については、十分な注意を払って解釈する必要がある。いずれも、『EUV技術を使わずに技術ソリューションを実現できる』と主張し、その実現の可能性を完璧に実証しているようにみえる。一方で、『複雑性の低減や歩留まりの向上、コストの低減などを可能な限り迅速に実現するには、EUV技術を使う必要がある』としているのだ」と述べる。
van Hout氏によれば、TSMCは、今回購入したASMLのEUV露光装置を使って、2018年初頭には7nmプロセスでのチップ製造を始められる可能性があるという。
「TSMCの共同CEOであるMark Liu氏は、2015年末にはリスク生産を開始したいと話していた。同社は7nmプロセスについて公式には何も発表していないが、本格量産までは(リスク生産から)2年と少しかかるのが一般的だ」(van Hout氏)。
TSMCのLin氏は、イベントで「TSMCは、できるところまでムーアの法則を進めるつもりだ」と述べた。
TSMCは、最初の10nmプロセスの製品にはEUVリソグラフィを使用しない予定だが、ASMLと協業して、プロセス技術向けに装置の開発を進めている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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