セッション19(先端無線技術)では、自己送信信号の受信信号への混信を除去する機能を備えた受信回路や、高速で妨害波を検出する回路、自己修復機能を備えたトランシーバなどの講演が予定されている。
米国のColumbia Universityは、妨害波となる自己送信信号を除去する機能を備えた受信器の研究成果を発表する(講演番号19.1)。取り除ける周波数帯域は20MHz以上である。受信信号の帯域は1.0GHz〜1.7GHz。回路構成を動的に再構成可能(リコンフィギュラブル)であり、FDD(周波数分割多重)システムやフルデュプレックス・システムなどに適する。同一帯域で送受信を実行したときに、帯域内の3次入力インターセプトポイント(IIP3)は2dBm、帯域外の2次入力インターセプトポイント(IIP2)は68dBm。消費電力は63mW〜69mW。製造技術は65nmのCMOSである。
オランダのUniversity of Twenteも、妨害波の除去機能を備えた受信器の研究成果を報告する(講演番号19.2)。フルデュプレックス・システム向けである。フルデュプレックス実行時のSFDR(スプリアスフリーダイナミックレンジ)は87dB。製造技術は65nmのCMOSである。
米国のUniversity of Southern Californiaは、周波数選択回路を動的に再構成可能な(リコンフィギュラブル)ソフトウェア無線機用受信器を発表する(講演番号19.3)。キャリア・アグリゲーション向けである。受信帯域が0.5GHz〜3GHzのときに雑音指数(NF)は4.5dB。製造技術は65nm CMOSである。
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