Gartnerによれば、2014年の世界半導体市場の売上高は、前年比で7.9%増となる3398億米ドルになる見通しだという。DRAMが好調で半導体市場のけん引役となった。メーカーの売上高ランキングでは、インテルが23年連続で首位の座を確保する見込みだという。
米国の市場調査会社であるGartner(ガートナー)は2015年1月6日、2014年の世界半導体市場の売り上げが、前年比7.9%増となる3398億ドルになるとの見通しを発表した。さらに、上位25社の合計は同11.7%増と、市場全体よりも大きな成長率になったという。これにより上位25社の市場全体に占める割合は、2013年の69.7%から2014年は72.1%に増加した。
Gartnerによれば、DRAM市場が2013年に引き続き2014年も活況だったという。DRAMは供給不足によって価格が高止まりし、売上高が2013年比で31.7%増となった。その他、ASIC、ディスクリート、マイクロコンポーネントがプラス成長になったと分析している。2014年のメモリ製品を除いた半導体売上高の成長率は5.4%で、2013年の0.8%よりも大幅に上がった。
従来型PC市場は2013年にマイナス成長となったが、2014年はわずかながらプラス成長になったとGartnerは予測している。スマートフォン市場は引き続きプラス成長となった。ただ、製品の構成は、ハイエンドのスマートフォンから安価なスマートフォンへ移行したという。一方でタブレット端末は2013年に比べて大きく減速した。
売上高の比較で見ると、Intelは、2年連続のマイナス成長を脱して前年比4.6%増となり、23年連続で首位の座を確保した。Samsung Electronicsは前年比15.1%増と堅調に成長した。ただし、スマートフォンについては、「GALAXY」のシェアが2014年4〜6月期に急落するなど、陰りも見えている。
SK HynixやMicron Technologyなどのメモリメーカーは売り上げを伸ばし、2013年に比べて順位を上げている。SK Hynixは前年比で26.1%と高い成長を記録。2年連続での高成長となった。同社の売り上げは80%がDRAMである。Micron Technologyは前年比41.0%増を記録した。Gartnerは、2013年にエルピーダメモリを買収したことがその要因だとしている。
日本メーカーでは、東芝が好調だった。ルネサス エレクトロニクスは、前年比9.1%のマイナス成長で、2013年と同じく10位となっている。
2014年の順位 | 2013年の順位 | 社名 | 2014年売上高 | 2014年シェア | 対前年成長率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Intel | 50,840 | 15.0% | 4.6% |
2 | 2 | Samsung Electronics | 35,275 | 10.4% | 15.1% |
3 | 3 | Qualcomm | 19,194 | 5.6% | 11.5% |
4 | 5 | Micron Tecnology | 16,800 | 4.9% | 41.0% |
5 | 4 | SK Hynix | 15,915 | 4.7% | 26.1% |
6 | 6 | 東芝 | 11,589 | 3.4% | 2.8% |
7 | 7 | Texas Instruments | 11,539 | 3.4% | 9.0% |
8 | 8 | Broadcom | 8,360 | 2.5% | 2.0% |
9 | 9 | STMicroelectronics | 7,371 | 2.2% | −8.8% |
10 | 10 | ルネサス エレクトロニクス | 7,249 | 2.1% | −9.1% |
その他 | 155,679 | 45.8% | 5.3% | ||
合計 | 339,811 | 100% | 7.9% | ||
出典:Gartner(2015年1月、速報値) |
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