IC Insightsが発表した2012年の半導体売上高ランキングによると、QualcommとGLOBALFOUNDRIESが大きく成長した。1位はIntel、2位はSamsung Electronicsと、2011年と変わらない顔ぶれだったが、両社とも売上高は前年比でマイナスとなっている。
米国の市場調査会社であるIC Insightsが、2012年における世界半導体売上高ランキングの上位25社を発表した。対象分野としては、オプトエレクトロニクスICやセンサー、ディスクリート半導体チップなどが含まれる。これによると、GLOBALFOUNDRIESの売上高が前年比31%増、Qualcommが同30%増と、高い成長率を記録した。またQualcommは今回、トップ5に入るという快挙も成し遂げた(関連記事:2011年の世界半導体売上高ランキング、IntelがSamsungに大差を付けてトップに)。
ファウンドリ最大手のTSMCは、2011年と同じく第3位の座を維持しており、売上高は前年比で18%増加している。ランキング第2位のSamsung Electronicsと第1位のIntelは、両社とも売上高成長率がマイナスだったことから、TSMCがこの2社に迫る勢いを見せる結果となった。SamsungとIntelは現在、ファウンドリ事業にも注力すべく、最初の一歩を踏み出したところだ。しかし、Samsungは、メモリの売上高が伸び悩む状況が続いており、Intelも、PC市場の低迷によって主軸のプロセッサ事業に勢いがないという課題に直面している。
2012年における世界半導体市場の売上高は、前年比で3%減少した。一方、半導体メーカートップ25社の合計売上高は、1%減にとどまっている。
トップ25社の地域別による内訳は、米国企業が10社、日本が7社、台湾が3社、欧州が3社、韓国が2社という結果になった。
またIC Insightsは、売上高ランキングの上位25社について、年平均成長率によるランキングも発表している。ここで注目すべきは、この年平均成長率ランキングの下位を占めたのは、売上高の減少幅が2桁台だったメーカーばかりだという点だ。こうしたメーカーの多くが、欧州と日本の企業である。
さらにもう1つ注目すべき点がある。2012年の半導体売上高ランキングでは、GLOBALFOUNDRIESとAMDはそれぞれ15位と13位と近い位置にいたが、年平均成長率のランキングでは、GLOBALFOUNDRIESが前年比31%で2位、AMDが同17%減で24位と、大きく差が開いていることだ。上位25社をランキングしている表において、両社はほぼ両端に位置しているといってもよい。
AMDはもともとGLOBALFOUNDRIESの親会社であり、主要顧客でもある。IC Insightsはこの結果について、GLOBALFOUNDRIESが、STMicroelectronicsやFreescale Semiconductor、Qualcommなどの多くの半導体ファウンドリの顧客企業を、うまく引き付けることに成功したためだと解釈している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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