OKIプリンテッドサーキットは、端子ピッチが0.35mmで1000端子のLSIにも対応することが可能なプリント配線板技術を紹介した。最大板厚3.5mmで30層プリント配線板を量産できる技術だ。「FiTT(Fine pitch Through via Technology)」と呼ぶ製造工法を新たに開発し採用することで実現した。
ブースには、FiTT工法で製造した半導体テスター向けの「プローブカード」と「ソケットボード」の2種類を参考展示した。「端子ピッチは0.4mmから0.3mmに移行するというロードマップもあるが、実装技術など実用レベルを考慮すると、いったん0.35mm技術を経由するのが現実的である。端子数も既にスマートフォン向けLSIでは600〜800端子のチップが登場している」(説明員)と語り、近い将来、需要が本格化する可能性が高いことを強調した。
プリント配線板のネット通販大手のピーバンドットコム(P板.com)は、あらゆる配線板の製造に対応できる体制を、プリント配線板 EXPOを通じてアピール。特に近年、体制を強化してきたフレキシブル配線板、アルミ配線板、厚銅(大電流)配線板と、難易度の高い製造技術が求められる3種の配線板製造サービスを紹介した。
フレキシブル配線板製造サービスは、リジッドフレキシブル配線板やビルドアップリジッドフレキシブル配線板といった特殊フレキシブル配線板にも対応する。通常のリジッド配線板の製造サービス同様、金型を使用せずに初期コスト無料で製造できるという。
2年ほど前から本格スタートした厚銅配線板製造サービスは、300μm超の厚みの銅箔を使用したエッチングによる回路形成に対応している。厚銅配線板は一般的に、多くの銅を使用し、高度な製造技術も必要となり、製造コストは割高となるが、P板.comでは厚銅配線板製造を手掛ける海外工場を活用することで、「従来に比べ半額以下で提供できる」(説明員)という。
「まだまだ、ネット通販でリジッドフレキシブル配線板や厚銅配線板など特殊な配線板を注文できると認知されていない。小型でさまざまな形状が求められるウェアラブル機器や、大電流化の流れが強い自動車/産業機器用途でこれらの特殊な配線板への需要は拡大する見込みであり、引き続き、特殊配線板の製造サービスをアピールしていく」(説明員)としている。
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