新規則案の許可事項に関する概要は以下の通りである。
【操作に関する制限事項】
【オペレータ要件】
規則案では、夜間飛行と、高度1万8000フィート(5500m)以上での飛行を禁じている。航空交通管制の特別な許可があれば、ドローンは500〜1万8000フィートを飛行できるが、1万8000フィート以上では一切の例外は認められない。
ドローンの規制は簡単なことではない。さまざまなサイズと機能がある上に、ドローンの技術革新は規制当局の手続きよりもずっと速く進んでいるからだ。
FAAの担当者も、こうした現実には気付いている。FAAは、こうした現実に柔軟に対処しながら、規制の策定を進めていく考えを示している。
運輸長官のAnthony Foxx氏は、規制案の発表に際して、「技術はかつてない速さで進歩している。ドローン規制案は、技術革新に安全に対応できるように、連邦規則と領空域利用を改革していく指標となる」と述べた。
FAAは、「視野の範囲外の飛行も許可すべきか。許可するとすれば、どの範囲まで飛行可能とするのか」という問題について具体的な意見を求めている。
FAAはこれまで、ドローンの商用利用を禁止してきた。ただし、Aerial MobやHeliVideo Productionsなどの映画制作会社数社に対しては、例外的にドローン使用を許可している。
FAAのUnmanned Aircraft System Integration Office(無人航空機統括本部)でマネジャーを務めるJim Williams氏は、「2015 International CES」(米ラスベガス、2015年1月6〜9日)のパネルディスカッションで例外措置に関する質問に対し、「現時点では、ドローンの使用を許可できる企業は最大で15社だ。使用許可の申し込みは200社を上回っているため、この取り組みを効率的かつ早急に進めている」と返答した。
だが、「FAAの対応は遅すぎる」という批判も出ている。これに対し、FAAは、「新たな規制案は、飛行が許可されるドローンを明示している。同規制の下、不動産業者や空撮会社、警察、農家などへの許可認定と利用が進むと考えている」と述べている。
FAAのWilliams氏は、CES 2015で、「FAAは安全性が確保されるのであれば、ドローンに反対しない。安全ガイドラインに確実に対応できる企業に対しては規制免除する」とドローンを奨励する考えを示していた。
CES以降、ドローンは米国中の関心を集めていた。だが、2015年1月にホワイトハウスにドローンが墜落した事件が、この流れに水を差すことになった。
ドローンの所有者は、「墜落の原因は、空撮ドローンメーカーであるDJIのファントムクアッドコプターに技術的な問題があったことにある」としているが、DJIは「当社の製品が誤作動したとは考えにくい」と反論している。ケガ人は出なかったものの、ホワイトハウスではこの一件をきっかけにセキュリティに関する議論が行われた。この事件は、(たとえ玩具の類であっても)ドローンがどのような事態が引き起こす可能性があるかを示す事例として注目を集めた。
【翻訳:田中留美、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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