情報通信研究機構(NICT)は2015年3月、200インチサイズの超多視点裸眼3DディスプレイにCG(コンピュータグラフィックス)映像を瞬時に生成、表示できるシステムを開発したと発表した。
情報通信研究機構(NICT)は2015年3月、200インチサイズの超多視点裸眼3DディスプレイにCG(コンピュータグラフィックス)映像を瞬時に生成、表示できるシステムを開発したと発表した。リアルタイムに生成できるため、「観客が(3D表示されるCGを)従来の“見る”だけから、自在に“操る”ことができる」という。なお、開発したシステムは2015年4月1日から大阪市のグランフロント大阪北館 ナレッジキャピタルで一般公開する。
NICTは、世界最大級の200インチサイズの超多視点裸眼3Dディスプレイ「Ray Emergent Imaging(REI)」を開発し、2013年からグランフロント大阪で立体映像コンテンツの制作・上映や立体映像評価を目的とした実証実験してきた。ただ、REIに映し出す映像は、異なる約200視点分のハイビジョン解像度の映像情報が必要であり、視聴者の操作に合わせてリアルタイムに映像を生成するといったことはこれまでできなかった。
今回、NICTが開発したCG映像生成システムは、異なる約200視点のCG映像を計算機群により分散処理して、時々刻々と変化する情報の計算結果を即時に可視化できる装置と一般的な手法で制作されたCGコンテンツを、超多視点立体映像に変換するためのソフトウェアフレームワークから成る。
通常、立体映像コンテンツの制作や視点ごとの映像生成には、表示対象の3Dディスプレイ特有の知識が必要となるが、開発したフレームワークは、CGコンテンツ制作の分野で標準的に用いられているミドルウェア上に実装される。この結果、インタラクティブに(自由で対話的に)操作可能な超多視点の立体映像コンテンツ制作やセンサーデータの可視化を行うことが容易になったとする。
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