初公開となる2つ目のWeb OS技術は、スマートフォンやタブレット端末などに搭載されたOSに依存することなく、周辺にある電子機器やセンサーシステムなどと自動的に接続して利用可能な状態とする技術である。
今回開発したのは、「Web型ドライバアーキテクチャ」と「デバイス プラグ&プレイ」技術である。AndroidなどのOS上に独自のアプリケーション実行環境(ランタイム)層を構築し、周辺デバイスを制御できるようにした。
Web型ドライバアーキテクチャは、Webベースのアプリケーション層とOSの汎用通信インタフェースをランタイム層でつなぐためのブリッジ技術である。OSに依存するドライバをWeb層に配置することで、ドライバのOS依存性をなくした。また、アプリケーションの独立性を高めるため、ドライバの違いを吸収するデバイス抽象化APIも開発した。
デバイス プラグ&プレイ技術は、周辺デバイスの検出と、それに対応するドライバの動的配信を制御する技術である。具体的には、スマートフォンなどが周辺の電子機器などを検知すると、周辺デバイスを制御するのに必要となるドライバを、クラウドなどに設けられたドライバストアから自動的にダウンロードし、スマートフォンのWeb層へ動的に実装する仕組みだ。スマートフォンなどの利用者は、従来システムのように、必要なドライバを手動でダウンロードしたり実装したりする必要はない。
富士通研究所では、新開発のWeb OS技術について、訪問介護業務におけるスマートフォンと各種測定機器間のデータ送受信、運送/宅配業務におけるタグリーダなどとの接続、公共輸送車両内におけるナビ情報やオーディオ機器との接続、といった用途を想定している。当初は富士通グループ内部で使用しているIoT製品への活用を中心に展開し、2016年度中の実用化を目指す計画だ。
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