キーサイト・テクノロジーは、次世代通信ネットワークシステムの研究/開発や評価用途に向けて、任意波形発生器やオシロスコープなどの測定機器をトータルで提案した。
キーサイト・テクノロジーは、「Photonix(フォトニクス) 2015」(2015年4月8〜10日、東京ビッグサイト)において、次世代通信ネットワークシステムの研究/開発や評価用途に向けて、任意波形発生器やオシロスコープなどの測定機器を提案し、デモ展示を行った。
長距離光通信では、伝送速度が100Gビット/秒から400G〜1Tビット/秒へと進化する。クラウドネットワーク通信でも100Gから400Gイーサネットへと向かい、伝送方式としてはPAM4/PAM8などが注目されている。こうした中で、これらシステムの検証や評価を行うための測定機器は、より高速で複雑な変調方式の信号に対応する必要がある。
メインステージでは、最大65Gサンプル/秒の高速サンプリングと、最大20GHzのアナログフロントエンドにより、高速かつ広帯域の信号を発生して、最大4チャネル出力することができる任意波形発生器「M8195A」や、周波数帯域が最大33GHzのオシロスコープ「V334A」などを用いて、信号波形解析などのデモ展示を行った。
M8195Aは、業界最高レベルのサンプリングレートやアナログ帯域、出力チャネル数を実現している。波形メモリとしては最大16Gサンプル(モジュールあたり)を搭載する。出力振幅は0.25〜1Vp-p(2Vp-p差動)、出力範囲は−1〜3.3Vである。ジッタはRJrms200fs以下に抑えている。
これらの特性により、「さまざまな通信方式に対応した信号波形を発生することができる」(説明員)のが大きな特長だ。例えば、コヒーレント光通信向けには、4チャネル、32Gbaud以上、QPSK/QAMなどの変調信号を生成する。400Gイーサネットなど次世代クラウドネットワーク通信向けは、PAMやDMTといった伝送技術に対応する多値デジタル信号の生成が可能である。
業界最高レベルの特性を実現し、最新の伝送方式に対応するために、同社はかねてからコア技術となるデバイスを自社開発している。M8195Aにも、最大65Gサンプル/秒を可能とするD-Aコンバータや20GHzのアナログ帯域を実現するアンプなどの自社開発品が搭載されているという。
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