ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、IoT(モノのインターネット)機器向けの設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」を開発した。ユーザーはアプリケーションコードから開発に着手でき、開発負担を軽減できる。同基盤用マイコンとしてARMコアベースのマイコンをラインアップしていく方針。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年6月16日、IoT(モノのインターネット)機器向けの設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」を開発したと発表した。動作保証されたソフトウェアパッケージやARMコア(Cortex-Mシリーズ)ベースのマイコン(MCU)などをワンストップで提供する。ユーザーはアプリケーションコードからの開発が可能となり、機器の開発期間短縮やTCO(Total Cost of Ownership)の低減などを可能とする。
Renesas Synergyプラットフォームは、動作保証されたソフトウェアパッケージ「Synergy Software Package(SSP)」や、新たに開発したMCUファミリ「Renesas Synergy MCU」、「ツールキット」、「ソリューション」および「ギャラリ」で構成される。しかも、プラットフォームに関する技術サポートやライセンス契約なども、ルネサスが窓口となって行われるため、ユーザーは個別に開発企業と調整する手間などを省くことができる。
同プラットフォームの中核となるのがSSPである。このSSPは、全世界で20億台以上の機器に組み込まれているリアルタイムOS(RTOS)「ThreadX」や「X-Ware」(TCP/IP、USBといった通信スタック、ファイルシステム、GUIライブラリなど)および、ルネサスが開発したDSPライブラリやCapタッチなどの各種ソフトウェア、さらにはアプリケーションフレームワークなどで構成されている。これらは、ソフトウェアライフサイクルプロセス規格「IEC/ISO/IEEE-12207」に準拠している。
SSPは、全てのRenesas Synergy MCUで互換性を保証しており、定期的なメンテナンスとバージョンアップもルネサス側で行われる。しかも、これらのソフトウェアをユーザーが使用する際に、数量的な制限はないという。
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