PP-SSS Systemは、書き換え回数を増やしたりデータを長く保持したりすることでデータを失うという性質を利用。データを書き込む際に、所定の時間になれば、誤り訂正できない数のエラーが発生するように調整した数のエラーを注入することで、所定の時間でデータを自動的に壊す仕組み。壊れるのはデータのみで、フラッシュメモリ自体は再利用できる。
フラッシュメモリは、HDDや磁気テープと異なり、メモリがエラーする確率を高い精度で予測することが可能だ。そのため、こうしたエラー注入で、データが壊れる時間を制御できるという。
エラー注入は、データ書き込み時点でのフラッシュメモリの寿命に応じて行う。エラーの注入は、書き換え回数が多く疲労したメモリほど、また、短い寿命を設定するデータほど、多くなるという。
また同グループでは、「事前に設定した寿命の時に画像データが解読不可能になることを実験により確認した」としながらも、「現時点はコンセプトを提案、実証した段階であり、実用化を考慮した場合、メモリ素子の特性のばらつきの抑制などの技術課題を克服する必要がある」としている。
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