2015年6月24日、同日付でルネサス エレクトロニクスの会長兼CEO(最高経営責任者)を退任した作田久男氏と、代わって会長兼CEOに就任した遠藤隆雄氏がそろって記者会見を行った。
このところ、半導体業界は、業界再編の嵐が吹き荒れている。
NXPセミコンダクターズによるフリースケール・セミコンダクタの買収、インテルによるアルテラの買収、アバゴテクノロジーによるブロードコムの買収と、2015年だけでも1兆円規模を超える大規模買収が3件も決まっている。
2015年6月24日、この日、ルネサス エレクトロニクスの会長兼CEO(最高経営責任者)を退任した作田久男氏は「(半導体企業の)合従連衡がすごい勢いで進んでいる。一種のトレンド、バブルになっており、訳が分からない」と笑う。しかし、ルネサスにとってライバル企業の積極的な動きは決して人ごとではない。作田氏も「これまでになかったアプリケーション、ニーズにチャレンジしようとするならば、1社だけでは無理で、シナジーのあるところと一緒になってやっていこうという部分で合従連衡が進んでいる」と分析する。
そして作田氏は、「(ルネサスも)いいタイミングで、いい相手を見つけて、勝負をかけるということが近い将来、迫られるだろう」とこれまで、何度か示唆してきた“合従連衡”の必要性をあらためて解いた。「(会長兼CEOを務めた)これまでの2年間、M&Aを考えていなかったわけではなく、思うことがあっても、とにかくお金がなかった」と無念も口にした。
その作田氏から「構造改革に一定のメドがつき、成長に向けてギアチェンジするため」ということで、ルネサス 会長兼CEOを受け継いだ遠藤隆雄氏*)。資金が乏しい中で、積極的なM&Aを実施するライバルらを上回って、成長を果たしていかなければならず、経営手腕が厳しく問われることになる。
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