米大学が“3D指紋認証スキャナ”を開発、パスワードは過去のものに?:真皮まで画像化(2/2 ページ)
現在、人が触ったグラスなどから指紋を取り(警察と同じような手法で)、その2次元画像を生成し、指紋認証によって保護されているデバイスでなりすましをすることは、クラッカーにとっては比較的簡単だとされている。しかし、今回開発したような3D指紋認証の場合は、そう簡単にはいかない。
Horsley氏は、「3D指紋認証技術によって、皮膚表面下の特徴を、プライベート化することができる」と述べる。
Horsley氏の研究チームは、このようなコンセプトを実証していく上で、InvenSenseと協業関係を築いている。InvenSenseのMEMS製造プラットフォーム「Nasiri-Fabrication」を利用した。
“3D指紋認証”向けの超音波MEMSセンサーの構造。CMOSウエハーとMEMSウエハー(P-MUT[Piezoelectric Micromachined Ultrasound Transducer]アレイを集積)を接続している (クリックで拡大) 出典:カリフォルニア大学
上の図の電子顕微鏡写真 出典:カリフォルニア大学
現在、同センサーは開発の段階だが、第2世代のプロトタイプが既に完成しているという。Horsley氏は、「第2世代のプロトタイプの評価を行っているところだ。第2世代品は、第1世代品に比べて市場からの要件を、より考慮した。2015年秋には何らかの情報を発表できると思う」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
- 「MEMSトランジスタ」をCMOSチップ上に作製、フィルタや発振器が集積可能に
CMOS技術で製造する半導体チップ上に、ギガヘルツオーダーの高周波信号源を集積し、タイミング生成機能を組み込めるという。研究チームによれば、これを応用することで、通信チャネル選択用フィルタや発振器などを、その他のCMOS回路とともに1枚のシリコンチップに搭載できるようになる。
- 体の熱や動きで駆動するウェアラブル医療モニター、米研究チームが開発に本腰
米国の研究チームは、環境発電(エネルギーハーベスト)を利用するウェアラブル医療モニターの開発を進めている。体温や身体の動きを利用してフレキシブルセンサーを駆動し、生体信号をモニタリングすることを目指すという。
- NEDOの考える“本当に使えるセンサー”
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とNMEMS技術研究機構(以下、NMEMS)は2015年2月4日、「グリーンMEMS(微小電気機械システム)センサー」を開発し、同センサーを用いたエネルギーマネジメントシステムの実証実験を行った結果、10%以上の省エネ効果を確認したと発表した。
- 感電しないコンセントと伝説の元クラッカー
今回は、「FTF 2015」の基調講演から、感電のおそれのないコンセントと、伝説の元クラッカーの話を紹介する。コンピュータやネットワークなどのセキュリティにおいて、「今後、最も脅威となり続けるものは何か?」と問われた元クラッカー。さて、何と答えたのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.