ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は、車載ADAS(先進運転支援システム)/ビューイングカメラ向けに、同社としては初めてとなる裏面照射(BSI:Back Side Illumination)型CMOSイメージセンサーを発表した。
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2015年7月9日、東京都内で記者会見し、車載ADAS(先進運転支援システム)/ビューイングカメラ向けに、同社としては初めてとなる裏面照射(BSI:Back Side Illumination)型CMOSイメージセンサーを発表した。合わせて、車載事業における戦略についても説明した。
AR0136ATは、1.2Mピクセル(1280×960画素)の1/3型光学センサーである。ピクセルアレイはピクセルサイズ3.75μmで、表面照射(FSI:Front Side Illumination)型の現行品「AR0132AT」と同じだが、BSI技術を採用したことで、低照度におけるS/Nを最低4倍に改善し、視感度は40%、近赤外線(NIR)性能は最低60%、それぞれ向上させた。AR0132ATからの製品移行をスムーズに行えるよう、端子配置やレジスタコントロールの互換性を確保している。
また、リニア/HDRモードをサポートしており、HDRモードでは単一チップで120dBのダイナミックレンジを達成している。出力ピクセルレートは最大74.25Mピクセル/秒と高速で、960p解像度で45フレーム/秒、720p解像度では60フレーム/秒に対応することができる。接合部の温度範囲は−40〜125℃。車載向けIC規格である「AEC-Q100」に準拠しているほか、機能安全規格の「ASIL-B」に準拠した設計となっている。
AR0136ATは、2015年第3四半期(7〜9月)よりエンジニアリングサンプル品の出荷を始める。量産開始は2016年初めを予定している。
同社は、2011年にCypress Semiconductor(サイプレス)のイメージセンサー事業部門を買収。2014年にはAptina Imaging(アプティナ)とTruesense Imaging(トゥルーセンス)の、イメージセンサーメーカー2社の買収を完了し、車載CMOSイメージセンサー事業に向けた体制を強化した。しかも、これらイメージセンサー製品に加えて、イメージ処理プロセッサや電源ICなども用意しており、カメラモジュールを構成する主要なICを、システムレベルで提供できるのも同社の強みとなっている。
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