続いて、イメージセンサー・グループでオートモーティブ担当プロダクトライン・マネージャを務めるNarayan Purohit氏が、車載向けCMOSイメージセンサーの市場性やアクティブセーフティへの取り組みなどについて紹介した。
まず、車載カメラのトレンドとしてPurohit氏は、車両一台当たりの搭載数に触れた。「2000年には、車両一台当たりカメラモジュールが2個搭載されていた。ADAS向けとリアビューイング向けである。今後は車室内カメラも含めて、15〜19個のカメラモジュールが搭載されることになろう」と述べた。特に、自動車メーカーが自律走行車両やインテリジェント車両の開発計画を前倒しで進めており、自律走行の中核技術となるイメージセンサーの用途拡大が期待されている。
車載向けCMOSイメージセンサー市場規模は、2015年に5億米ドルが見込まれ、2018年には10億米ドルと、2倍に拡大すると予測されている。特に、アクティブセーフティ機能の搭載率向上により爆発的な伸びが見込まれる。2014年から2018年までの市場規模は年平均成長率28%との見通しだ。こうした中で、同市場におけるオン・セミコンダクターのシェアは46%を占めるという。つまり、「自動車のほぼ2台に1台は当社のイメージセンサーを搭載していることになる」(Purohit氏)と話す。
Purohit氏は、今回発表したAR0136ATに採用した技術も含め、次世代の車載イメージソリューションを実現するために必要となる技術をいくつか挙げた。低照度環境で性能を改善する「BSI」技術、ビューイングにおけるフリッカの課題を解決するためのLFM(LEDフリッカ軽減)技術、全素子を同時タイミングでシャッタ動作させる「グローバルシャッタ」技術などである。さらに、ASILへの対応や、より高解像度の映像信号を高速に処理できる「SoCとアルゴリズム」の開発、などである。BSI型CMOSイメージセンサーは競合他社もすでに製品化しているが、「低照度でのS/N、視感度など、製品の性能面で十分に差異化できる」と強調した。
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